「レンズを変えると世界が変わる」を実感した動画

レンズ沼にハマる多くの人がこう言います。レンズが変わると世界が変わるって。私がカメラを触りだしたのは2020年からなのですが、この手の話は正直あんまり信じていませんでした。でもそれを実感した動画が見かけました。

良いレンズの定義

大抵の場合、一般論として良いレンズというのは色々あると思います。

  • F値が低くて明るい

  • 玉ボケがまん丸で綺麗

  • ボケの輪郭線が強調されない

  • 発色が綺麗

これらについてはまぁ分かるんです。F値が低ければ暗所でも解像度の高い画を撮れますし、大きなボケ味を作り出せますから、撮影の選択幅が広がるという意味では客観的にも優秀なレンズと言えるでしょう。

ただし、「ボケの形」や「輪郭の縁取りがうるさくない」というのは嗜好性があるというか、好みの部分もあると思うんですよね。「一般的にそう言われている」ということと「実際に綺麗な画が撮れるかどうか」は別問題です。「皆がこういうのが良いと言っているから」=「良いレンズ」、こういう思考にはなりたくない。

更には広角レンズでも色収差や歪曲収差が小さいだとか、フレア、ゴースト、パープルフリンジが出にくいとかいう話にまでなってくると、素人からすれば「そりゃ違うんだろうけど、それがレンズの価格として10万円も20万円も差がつく代物なのか?パンピーからすれば常軌を逸している・・・」という感覚が強かった。

そういう差っていうのは、思いっきり拡大したり極端にカラグレした時にノイズとして浮かんでくるかどうかのレベルだと思ってたんです。

比較動画

下の動画で登場するカメラはSONY a7S3とa7R4です。ほかにもPanasonicのLUMIX S5やBMPCC 6Kが登場します。
本来この動画はa7S3の開封レビュー動画で、私も予約したa7S3を事前に確認したいと思って視聴していたのですが、カメラよりGMレンズがいかにすごいかを知ることになったというか、レンズの違いだけでここまで画全体の雰囲気を変えるチカラがあることを初めて体感したんです。

SEL20F18GとSEL1635GMの比較(20mm F2.8に統一、画質は2K)
再生開始時間 カメラ レンズ
1時間14分 a7S3 SEL1635GM(SONY FE 16-35 mm F2.8 GM)
1時間16分40秒 a7R4 SEL20F18G(SONY FE 20mm F1.8 G)
1時間18分50秒 BMPCC 6K 不明
1時間21分40秒 a7S3 SEL20F18G(SONY FE 20mm F1.8 G)
1時間21分50秒 a7R4 SEL1635GM(SONY FE 16-35 mm F2.8 GM)
1時間45分20秒 LUMIX S5 S-R24105(LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.)かな?

「1時間14分から」と「1時間21分40秒から」を見比べると、「a7S3にGMレンズ」を付けた時「1時間14分」の画がすごくキレイだと思わされます。

「a7S3に16-35 mm F2.8 GM」vs「a7R4に20mm F1.8 G」

a7S3のほうが明らかにキレイで解像感がある。

「a7S3に20mm F1.8 G」vs「a7R4に16-35 mm F2.8 GM」

大体同じくらい、良い勝負してる。

こういう印象を受けました。私も初めてフルサイズ用のレンズとしてSEL20F18Gを2020年に買いました。理由は、F値の低い単焦点レンズが欲しいしGMレンズより安いという2点が大きかった。SEL20F18Gってこれです。↓↓↓

そもそもGMレンズは高いじゃないですか。
で、SEL20F18Gでも充分綺麗だという認識というか満足感はあったんですけど、これを見るとF値がちょっとくらい高くてもGMレンズを試してみたくなっちゃいますね。

もちろんF値が高ければボケ味の制限も伴いますし、これについてはどうしようもありません。ベテランの人も「何でもかんでもF値を下げてボケボケで撮るのは良くない」とも言いますが、「常に使うかどうかは別にしても、少なくとも選択肢が欲しい」と考えるのが性ってもんです。

GMレンズは高いし、F値は2.8だし(私はF2.0以下が使ってみたかったから避けた)、室内での撮影なら広角の単焦点レンズのほうが便利だと思っていました。でもa7S3やLUMIX S5みたいに暗所性能がずば抜けて高いカメラならそういう部分も全然克服できますよね。

カメラは5年や10年で買い換えるかもしれませんが、レンズはマウントさえ同じならカメラ本体よりずっと長く使えますから、ここに資金を投入するのは実は意外と長期的にはコスパが高いなぁと感じたし、「レンズを変えると世界が変わる」は本当なんだという片鱗を見た気がしました。