マイクアーム(BLUE microphones compass)とマイクスタンド(K&M ST210/2B)の使用感レビュー

2020年9月29日

以前書いたマイク(アストン オリジン)のレビューの続きみたいなもんです。

なので、ここで記している使用感はアストン オリジンとの組み合わせを前提としています。

ブームマイクスタンド: K&M ST210/2B (21020B)

K&MというドイツメーカーのST210/2B (21020B)というブーム式マイクスタンドを買ったんですが、結論としては「買い直すほどではないが、出来ればカウンターウェイトを買い足したほうが良い」です。それで、実際にカウンターウェイトを買い足しました。

これを買った理由は主に次の点。

  • 信頼のドイツ製(金属加工や工作機械系についての私のドイツへの信頼は厚い)

  • マイクもショックマウントもネジが3/8インチなので、設置時に変換アダプターが不要(Aston Originとの組み合わせの場合の話)

  • アーム式じゃなくてスタンド式なら、部屋のどこでも使える

  • ブームを外してストレートタイプのマイクスタンドとしても使える

これね↓↓↓

カウンターウェイトが必要

K&Mのこのスタンドは自重が3.18 kg(7 lbs.)らしいんですが、それでも足りない。
マイクを取り付けて、ブームを一番伸ばした状態(ブーム長: 84 cm、ブーム自体の長さは調整できない)で真横に伸ばすと、角度(三脚の足と足の間)によってはふとした衝撃で転倒します。反対側にカウンターウェイトが必要です。

ブームを半分くらいの長さで使うならウェイトは不要かもしれませんが、それ以上長くすると段々不安定になります。っていうか三脚の足に重しを乗せたいくらいですよ(笑)、でもベースプレートウエイトを買うとなるとまた高くつくでしょう?(悩)

でも、カウンターウェイトを1個付けたとしても、ブームを一番伸ばした状態ではバランスの不安定は完璧には解消されません。ここが非常に残念でした。

重心がずれると回転を起こす

マイクの向きによっては、重心がずれることでブーム自体が回転してしまうことも残念ポイントの1つです。あくまで軽いマイク(カラオケマイクくらい)を設置するためのものだと感じました。

最大長でもブームは下がらない(お辞儀はしない)、だけど・・・

最大長さでカウンターウェイトがなくても、思いっきり締め込めばブームが下がってくることはありません。いわゆる「お辞儀」はしません。

でも"思いっきり締めたら"の話です。ちょっとでも気を抜いた締め方をすると、じわじわ下がってくるので、ちょっと神経を使う感じがあります。Originの自重は450 gもあって、結構重たいですからね。これにショックマウント、ポップガードが付けたらかなり重い。600 gは超えてるはずです。

ブームの向きは自分で反対向けに組み換えた方がいい

マイクの話から逸れてる上に細かい話なんですが、買った時点では、「お辞儀する向き」と「ブームの固定ネジの緩む向き」が同じなんですよね。なので「お辞儀をするほどネジが緩む」→「お辞儀が加速しやすい」という現象が見られました。

付け替えるためにネジを緩めると、黒い円盤型の摩擦パッドが落ちるので紛失しないように注意してくださいね。わたしの場合、転がって家具の隙間に入り込んでしまって、救出のするのにだいぶ苦労してしまいました・・・。

K&M ST210を買った理由と結果

マイクスタンドならデスクの振動を拾わない

これについてはある程度効果があったと思う。

カメラや小型照明も取り付けられると考えた

実際には重量オーバーなどの問題があった。

部屋の中を自由に移動させられる

楽器演奏を録音する際にはマイクを移動させたかったから自立式のマイクスタンドを買った。でもスタンドの脚は家具にぶつかるので意外と移動制限がある。そもそも私の場合は演奏の頻度が低かった。しかもマイクアームでもそれはある程度可能だった。

マイクスタンドの性能自体にはそこまで不満はないのですが、自分の使い方としては合っていないと感じました。というよりも自分の使い方が間違っていたと言うべきかもしれませんね。なのでこのスタンドはカメラ用や照明用に転用しようと考えています。
現在はBlueのデスクトップブームアームを使っています。(話の続きは後述)

Blueのデスクトップブームアームとも悩んだ

わたしはドリキンさんの動画を見てOriginの存在を知ったわけですが、そのドリキンさんがBlueのデスクトップブームアームを購入したっていうんですよ。↓↓↓(11分40秒から)

ケーブルも隠せるし、すごくオシャレなのでこれにしようかとも悩んだんですけど、次の点で躊躇しました。

  • ちょっと値段が高い

  • デスク固定だとデスク作業の振動を拾いやすそう

  • 我が家の小さなデスクには大きなツインモニタがあるので、取り回しに制限がありそう

  • 万力で土台を固定する方式自体をあんまり信頼していない

  • 小型の照明やカメラなどをマジックアームで追加しにくい

でもお金に余裕があったら買って試してみたい・・・

デスクトップブームアーム: BLUE MICROPHONES compass

で、それから半年ほど経ってから結局買いました。めちゃくちゃ良い。
購入前の調査の時点でも充分期待できるマイクアームでしたが、実際に使ってみるとその期待を超えてきました。

BLUE MICROPHONES compassにAston Originを取り付けた状態

土台の安定感が素晴らしい

万力で固定する土台って構造的にどうも好きになれないんですよね。ネジがゆるんだら倒れてくるリスクがあるので。
でもこの土台は見た目よりかなりしっかりしているという印象を受けました。土台の穴もかなり頑丈に作られていて簡単に割れたりしなさそう。

軸回転がめっちゃシルキーで心地良い

土台とアームは太い金属棒で接続するのですが、これが凄く滑らか。回転させても異音や摩擦感がなくて気持ちいい。シマノのステラをリーリングする感覚です。(例えがマニアック)

各部位で微調整が可能

ドライバーでバネの強さを調節できる

マイクが重い場合にはドライバーでネジを締めることで内蔵のバネの強さを調節できます。私の場合は1番ゆるい状態でも特に不自由なく使えています。

各関節部分のつまみを回して硬さを調節できる

全体的な硬さはバネの強さで調整されていますが、更に各関節部分につまみがあるので動きをカスタムできます。
私の使い方だと、1番根元のツマミを少し強めに締めると使いやすくなりました。真ん中の関節のツマミはかなり緩めです。先端は少しだけ締めて指で動かせるくらいにしています。

不満点

アームの稼動域に注意

アームの真ん中部分は「くの字」に外側に折れます。なので、壁ぴったりにデスクを設置してアームを取り付けると、アームの曲げ方によっては関節部分が壁に当たってしまいます。

土台とアームが繋ぎにくい

土台に対してアームが滑らかに回転するのはそれだけ精度が高いお陰だと思うのですが、精度が高すぎて穴に入れにくい。

マイクが付いていなければ簡単なのですが、先端にマイクが付いている状態だとかなり難しくなります。特に最初のうちはどこに設置しようか悩んで、色んなところに設置して試したくなるものですが、この時になかなかストレスを感じました。

調整ネジが土台接合部分にある

「アームの戻る強さを調整するネジ」は土台とアームの接続部分に隠れています。なのでネジの調整をする度に土台からアームを取り外す必要があります。これがかなり面倒。更に、上でも言いましたがマイクが付いている状態だと接続が難しいので二重にストレス。

見た目が美しい

ケーブルもバネもアームの中にあるので、見た目がシンプルでスマート。しかもバネが露出していないのでホコリがたまらない、掃除がラク。

総評:満足度は満点に近い

上で述べたように、設置する上で細かい不満点はいくつかあるものの、設置場所や調整具合は一度決めてしまえば気にならなくなりました。最初だけ辛抱です。

購入時は「うーんちょっと高いなぁ」と渋々だったし設置時にも多少のストレスは感じましたが、使ってみると価格の高さを許せてしまえるくらいの快適性がありました。マジでめちゃくちゃ良い製品です。これはマイクを持っている人全員にオススメしたいレベル。