ピンマイク(ラベリアマイク)のオススメ5選

2020年1月28日

このページでは、タイピンマイク(ラベリアマイク)のおすすめ製品を紹介していきます。

装着した話者の声だけをクリアに録る

周囲の環境音はガンマイクで録りつつ、演者の声だけを別に録音したいならラベリアマイク(Lavalier Microphone, タイピンマイク)がオススメ。ピンマイクのメリットというか、ガンマイクと違う点は、話者が横を向いても声をしっかり録音できることです。

  • 演者が立っていたり、動き回る
  • 環境音とは別に演者の声だけを録りたい、動画編集時に音の調整を個別にしたい
  • 演者が複数人で、みんなバラバラの場所にいる
  • 各演者の音声をそれぞれ編集したい

元々Lavalierは「宝石のペンダント」という意味の名詞。そこから転じたようで、現在では「小型マイクを体に取り付ける」という他動詞としても使われています。

Youtuberも使ってる

ラベリアマイクはYoutuberも使っているマイクの一種です。

Youtuberがピンマイクだけで運用することってあるのかなぁ?まぁドリキンさんはそうらしいけど。テレビでもロケでタレントさんがよく使っているように、あくまでもガンマイクも持ってて、それでいて動いている演者の声をより綺麗に録りたい時に使うのが一般的だと思います。周囲の音がないと映像として成り立ちませんからね。
テレビのロケでも、タレントがピンマイクを付けているのとは別にスタッフが周囲の音を録っています。カメラに映ってないだけで。なので、ピンマイクを使うのであれば基本的には単一指向性のガンマイクもセットで使うことが前提だと思ったほうがいいです。

収録の安定性重視:Zoom F2

「大きい音も割れないように、小さい音も聞こえるように撮りたい!」そういう人にはZoom F2のおすすめ。ダントツで。
ささやき声だろうが爆音だろうがリアルタイムで24bit解像度で収録してくれるので、そもそもゲイン調整が不要になり、ヒューマンエラーを減らせます。絶対にミスれない収録で重宝するはずです。

なぜそんなダイナミックレンジを得られるのかというと、浮動小数点演算をしているから。

浮動小数点演算で幅広い音量をカバー

従来の整数32bitではなく、24+8 bitで演算することで、幅広い音量の音を綺麗に撮ることができます。

記録可能な範囲
ビット数 下限 上限
16bit(整数) -96 dBFS 0 dBFS
24bit(整数) -144 dBFS 0 dBFS
32bit(整数) -192 dBFS 0 dBFS
32bit Float -758 dBFS +770 dBFS

従来のものとは違い、770 dBFS分のヘッドルームを持ちます。これについては瀬戸弘司さんがめっちゃ分かりやすく解説されていたので載せておきます。

演算方法の概念について[17分00秒]から再生。わからなかったら最初から見てみて下さい。↓↓↓

INST チャンネルさんの動画もわかりやすかった。
[15分00秒]から。↓↓↓

上の動画でも解説されていますが、ダイナミックレンジ自体はあくまでも24bit分しかありません。でも音割れしない、小さい音も逃さないというのがZoom F2です。

BTモデル、無印モデルの違いはBluetoothの有無

BTはBluetooth内蔵モデルです。Bluetooth機能の一覧はこちら(公式のPDFページ)で確認できます。例えばこんな機能。↓↓↓

  • 録音のスタート/ストップをワイヤレスで行える
  • タイムコード機器(Timecode Systems社UltraSync BLUE)とBluetoothでペアリングすれば、タイムコードを受信して録音済みファイルに書き込むことができる

でも正直いって、これらの機能がなくてもそこまで不自由はしません。録音時に手元から離れた場所に置く場合なら重宝するかもしれませんが、そういう場面はかなり少ない。

なので、私は無印を推奨したい。
まず、無印の方が断然安い。そして、使い勝手がシンプルだからです。

コスパ重視:BOYA BY-WM4 Mark II

この製品は2019年5月頃に登場したみたい。

無線機能をセットにした多くのラベリアマイクは2万円以上が一般的で、色々セットで買うと3万円を超えるのはザラ。でもこのマイクも送受信機も全部セットで1万円ちょっと程度で購入可能。(調査時)
コスパで言ったらダントツ優秀かと思います。
実際の価格については下記の製品購入リンクから調べてみて下さい。

検証動画はこちら。↓↓↓

  • 音質のテスト:2分31秒から
  • 送受信距離のテスト:2分45秒から

音質も良いし、7 m程度ならガラスドアとかブロックの壁越しでも通信できています。ガラスとか障害物さえなければ10 m超えても大丈夫みたいですね。
メーカーの公称では、障害物さえなければ最大距離50 mまで通信可能だそうですが、これについては不確か。

単3電池2本で3.0時間駆動

amazonだと「電力:2*AAバッテリー」とありました。これはアメリカ式の表示で、日本での単3電池2本のことです。

メリット

  • コスパが良い。

逆にデメリットってそんなに思い浮かばないんですよね。

音質重視:TASCAM DR-10L

以前、伊集院光さんがラジオで神ピンマイクとして紹介したことでバズったらしいです。これは瀬戸弘司さんも持ってて言及していましたね。(2020年8月6日

ドリキンさんの動画は本当に参考になります。(3分50秒から)

例えば複数人で車に乗ってそれぞれが話す時とかには走行音が入りにくいので良いですね。ほかにも、そもそも演者が全員バラバラの位置にいるとか、そういうときには非常に有効です。もちろんその場合は複数台必要ですけどね。

マイクの取り付け方についてはこの動画がわかりやすかった。

単体で使えて便利

このページで紹介しているBOYA BY-WM4 Mark IIとかRODE SmartLav+はワイヤレスでカメラと接続することを前提にしている製品ですが、このTASCAMは単体で録音が可能です。なのでこんなメリットがあります。

  • カメラとの距離を気にしなくていい。
  • カメラにもマイクを付けて環境音を別録りできる。
  • 有線で記録してるから通信切断の心配がない。(しかも15分ごとにしっかり保存してくれる機能があるらしい。かなりプロ向けって感じ)

こういう撮影をした場合は編集時に「音と映像のタイミングを合わせる同期作業」が必要になります。

動画編集時にソフトにDavinci Resolveを使う場合の方法は下記で紹介しています。

デメリット

上で説明したようにメリットが多い反面、デメリットも一応あります。
この製品はマイク単体で使うので、カメラ映像との同期がワイヤレスで連携する製品よりもちょっと面倒です。また、撮影をする時にカメラとマイク、両方をONにすることに注意を払わないと、うっかり録り忘れるということもありえます。

RODE SmartLav+

ワイヤレスで連携する

このマイクにはコードがあります。ウェアラブルカメラと組み合わせるならまだしも、デジカメと組み合わせて使う場合には取り回しがしづらくなりますよね。そこでカメラと自分との間をワイヤレス無線で繋ぎます。

マイクが2つ欲しいなら:Saramonic Blink 500

上で紹介した製品だと2つ買わなければいけませんが、Saramonic Blink 500なら最初から送信機もマイクも2つセットです。マイク使用者が2人いることを前提にしているのなら、この製品はかなり都合が良い。例えばインタビュー形式の撮影や、2人組での撮影で役立ちます。

下の動画では、実際にSaramonic Blink 500をInsta360 One Rに装着して動画撮影をしていて、「インフルエンサーの多くはRODEのWireless goとSmartLav+を使うけど、Saramonicならラベリアマイクが2つ付いてるし、音質だって同等かそれ以上で価格は安い。なんで皆わざわざ高いほうを買うの?」とさえ言っています。(21分30秒から↓↓↓)