冷蔵庫の直冷式、ファン式(間冷式)の違い
冷蔵の「直冷式」と「ファン式(間冷式)」の違いをなるべく簡潔に説明します。
ファン式(間冷式)
- 2人暮らし以上の冷蔵庫なら、大抵はファン式。
- 具体的には150 L以上ならほぼファン式と思って間違いない。
メリット
- 霜取りを自動でおこなってくれる。
デメリット
- 自動の霜取り(デフロスト)は、冷凍庫内に定期的に温風を送り込んで霜を溶かす。そのため、長期冷凍保存には適さない場合がある。
- 電気代が直冷式より高くなりやすい。
直冷式
- 安価な冷蔵庫、小型の冷蔵庫で採用されている。
- 具体的には、100~150 L以下の容量の冷蔵庫に多く見られる。
メリット
- 直冷式のほうが構造が簡素なので、安価に作れて庫内の容量を多く稼げる。
- 電気代が安くで済む。
- 食品がデフロストされない。
例えば、飲み物用にロックアイスを冷凍庫にいれているけど頻繁には使わない場合、デフロストを繰り返すとロックアイスが霜だらけになって使い物にならなくなります。
直冷式ならロックアイスやアイスクリームなどの劣化を防ぐことができます。
デメリット
- 手動による定期的な霜取りが必要になる。
世間の勘違い・誤解
「直冷式=グレードの低いもの」ではない
直冷式=安い、でもだからと言って「直冷式=グレードの低いもの」ではありません。
上でも説明しましたが、ファン式は温風で霜取りをするため、長期保存に適さないこともあります。
例えば、駄菓子屋さん・コンビニ・スーパーマーケットのアイスクリームや冷凍食品売り場の冷凍庫が霜だらけになっているのを見たことはありませんか?あれらは直冷式の場合があります。
アイスクリームに定期的に温風を当てて再度凍らせると、中でアイスクリーム自体が霜だらけになってしまいますし、お肉や魚も表面が傷んでしまいますから、業務用ではわざとデフロストを避けている場合もあるんです。勿論、業務用でもデフロストするものもありますが、用途によります。
「直冷式=電気代が高い」も間違い
ここでは一般家庭に限った話をします。
よく、「直冷式は庫内を一旦常温に戻さないといけないから電気代が高くなる」という言説を見かけますが、これも誤りです。
直冷式はデフロストしない分だけ電気代は安くで済みます。しかも本体価格も安い。
勿論、ファン式と同じ頻度で常温に戻して霜取りをしていれば高くなるかもしれません。でも、常温に戻さなくても、プラスチックのヘラ定期的に削るだけでも霜取りは可能なので、メンテナンスの方法さえ間違えなければ確実に安くなります。(手間や煩わしさをコストに含めると話は別ですが)
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