冷蔵庫の扉の種類、開き方のタイプ
ここでは冷蔵庫の扉の開き方についてのみ説明しています。
観音開き(フレンチドア)
仏壇のように、冷蔵庫の真ん中から左右へ開くタイプです。日本でよくみかけるような、上部は観音開きで下部はスライド方式の場合、英語ではFrench Doorと呼ばれていて、上から下まで全部観音開きならSide-By-Sideと呼ばれています。
メリット
扉の幅が小さいので、通路幅(冷蔵庫の前方のスペース)が狭くても開閉することが可能。
真ん中が開くので、冷蔵の隅まで手が届きやすい。
片側だけ開けて使用すれば冷気が逃げにくい。
デメリット
1枚扉に比べて、ドア部分の収納スペースが小さい。
収納場所によっては両方の扉を開かなければならないときがある。
430 L以下の小型製品がない。
買うときの注意点などは下記リンクでまとめています。
オススメはこっちで紹介しています。
片開き
右か左、どちらかだけ開くことができるタイプです。構造がシンプルなので、小型の冷蔵庫、安価な冷蔵庫に採用されています。
右開きと左開き、どっちがどっち?
右開き
右開きとは、右手で開けるタイプ。この画像のように右側に吊元・ヒンジがあって、左側から右手で開けます。日本で販売されている冷蔵庫の多くは右開きです。
左開き
左開きとは、左手で開けるタイプ。この画像のように左側に吊元・ヒンジがあって、右側から左手で開けます。左開きの製品は少ないです。
付け替えドア
使い勝手は片開きと同じですが、右開きにしたり、左開きに変更できるタイプです。シャープ製だとつけかえどっちもドアという名称が使われています。
ただし、ドライバーを使ってヒンジを左右に入れ替える必要があり、常時どちらからでも開くことは出来ません。常時どちらからでも開くことができるのが次に紹介する「左右両開き」、または「左右開き」と呼ばれるタイプです。
137 L、167 Lまでの容量ではよく見られますが、200 Lを超える大型冷蔵庫では採用されていません。
左右開き
- 左右開き
- 左右両開き
- 両開き
などと呼ばれるタイプ。価格コムでは「左右開き」という語が使われています。
ドアは1枚で、「つけかえドア」とは違っていつでも左右どちらからでも開けることができるドアです。片側を開けている時は、もう片側からは開けることができない仕組みになっています。人によって呼び方にだいぶ揺れや混同があるようで、「両開き=観音開き」の意味で使っている人もいます。混同の理由の1つは、建築用語かもしれません。建物のドアが観音開きの場合は「両開き」と表現するからです。
メリット
対面型キッチンの出入り口に設置した時、出口側とキッチン側のどちらかでも開閉が可能。
観音開きタイプとは違い、ドアに万遍なくモノを収容できる。
引越をした時、設置場所が右隅でも左隅でも対応が可能。
デメリット
左右両開きのデメリットについて考えてみましたが、使い勝手についてはほぼ無いと思うんですよね。ただ、どちらからも開けられるという構造上、「ドアが外れる事故が発生しないか」という不安がよぎります。「構造が複雑=壊れやすい」というのはどんな製品にも当てはまることだからです。
そこで、シャープの公式ページ(重大製品事故情報一覧)を調べてみると、2007年4月以降からの事故が網羅されていますが、そのうち冷蔵庫ドアの脱落事故は3件ありました。(執筆時)
- 2015/1/28〔SJ-WD38C-H〕
- 2011/12/03〔SJ-WE38A〕
- 2009/06/27〔SJ-WE44B〕
そして、シャープ以外の通常の片開きドアでも脱落事故はあるようです。
ちなみにどれもドアにモノが挟まった状態で開閉を繰り返していたことが原因で部品が破損したものでした。また、扉に関する事故よりも火災事故のほうが圧倒的に多いようです。以下は、2017年以降に起こったシャープ製冷蔵庫が原因であろう火災事故件数です。(執筆時)
- 2018年8月18日(東京都) 電気冷蔵庫〔SJ-WA35C〕
- 2018年7月12日(東京都) 電気冷蔵庫〔SJ-WA35C〕
- 2017年10月22日(大阪府) 電気冷蔵庫〔SJ-11TLと推定〕
- 2017年10月15日(千葉県) 電気冷蔵庫〔SJ-23D〕
- 2017年10月2日(宮城県) 電気冷蔵庫〔SJ-23D〕
- 2017年8月19日(兵庫県) 電気冷蔵庫〔SJ-WA35C〕
- 2017年5月22日(神奈川県) 電気冷蔵庫〔SJ-WA35C〕
ちなみに、2020年以降ではシャープ製冷蔵庫に関するあらゆる事故が0件でした。大変よいことです。(執筆時)
左右開きはシャープの特許技術?
日本の大手家電メーカーはみんな冷蔵庫を販売していますが、左右両方から開けることが出来る「左右開き」のタイプを売っているのはシャープだけです。シャープの特許技術だからのようです。
そういう記述が公式で確認できたわけではありませんが、シャープの公式ページには「シャープ独自の技術です」とあります。特許申請を調べてみると確かにシャープは左右開きに関する特許を取得しています。(扉開閉機構及び冷蔵庫 WO2012011330A1、扉の開閉装置 JPH0781776B2)
なので、左右開き扉の冷蔵庫が欲しいなら、必然的にシャープ製から選ぶことになります。
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