除加湿空気清浄機の方式や電気代の違い、正しい使い方
除加湿空気清浄機は除湿、加湿、空気清浄の3役をこなします。一般的には加湿機能付きの空気清浄機はよく目にしますが、3つの機能を持っている除加湿空気清浄機はあまり知られていません。
実際、メーカー単位で見ても大手メーカーが取り扱っていないことが多いです。
除加湿空気清浄機のオススメ製品について下記リンクで紹介しています。
もくじ
除加湿空気清浄機とは?
- 除加湿空気清浄機
除湿、加湿、空気清浄の3役を1台でこなす空調機器です。
夏場は除湿+空気清浄
冬場は加湿+空気清浄がおこなえるので、年中安定した湿度調整、空調を維持することが出来ます。また、雨の日には洗濯乾燥機能付きの除湿機の代替としても使うことができるので一年中役立ちます。
効果
- 乾燥、じめじめから開放される
湿度を一定に保つことができるので、雨天時のじめじめの不快感、冬のカサカサ肌になる乾燥から肌や喉を守ることができます。
- 防カビ、防ウイルス効果
空気中から余分な水分を取り除き、湿度を一定に保つことでカビの発生を防ぐことができます。また、冬の時期は水分が少なすぎてインフルエンザウイルスなどが蔓延しますが、加湿機能で部屋に潤いを与えれば、ウイルスの繁殖を抑制することもできます。
- 花粉症アレルギーの抑制効果
花粉は春だけではなく年中飛散しています。特に春になると花粉が空気中に大量に浮遊しますが、空気清浄機能でこれらを除去できます。
- ハウスダスト除去効果
衣類、布団などから飛散するハウスダストも空気清浄機能で除去できます。
- ペット、タバコの臭いの消臭
ペットやタバコのニオイは部屋の壁紙、カーテン、カーペットなどに付着します。これらに加湿で潤いを与え、水分にニオイを含ませた後に除湿することで部屋に染み付いたニオイを除去することもできます。
除加湿空気清浄機は本当に必要か?
夏場はエアコンがあれば除湿できる
冬場は加湿機さえあればうるおいを保てる
だったら除加湿空気清浄機は要らないと思いませんか?でも結論からいうと必要です。理由は主に次の2つ。
- 1. 梅雨時はエアコンだけでは除湿しきれない
たしかにエアコンには除湿機能がありますが、梅雨の雨続きの日だとその処理能力を超えてしまうことがあります。結果、エアコンで除湿・強に設定してもじめじめは解消されず、室温が下がって肌寒くなります。
性能の高いエアコンには再熱除湿という除湿機能を持つ機種もありますが、これはあくまでも温度を維持してくれるだけで、除湿性能が特段に高いというワケではありません。- 2. 設置が簡単、移動も可能
エアコンが無い部屋(和室、押入れ、納戸など)でも、除加湿空気清浄機を持ち運べばすぐに使えます。
こういう理由から、除湿機や除加湿空気清浄機があった方が住環境は確実に快適になります。
持続運転が家全体に快適性をもたらす
多くの人は、出かけて部屋にいない間はクーラーや暖房の電源をOFFにします。でもこれは、空調や快適性を考えるとあまり適切とは言えません。
例えば冬、出かける時にエアコンや床暖房を切って出かけます。すると部屋の温度はどんどん下がります。でも部屋に残っている水分量は変わりません。この状態で空気の温度が下がると結露が起こり、窓のサッシなどに水滴として現れます。それと同時に、部屋は乾燥します。
そして、家に帰ってくると部屋は冷えて乾燥しています。ここで暖房をつけると部屋の温度が上がりますが、空気中の水分は少なくなっているので肌がカサカサしたり喉がイガイガしたり、不快を覚えることになります。これを毎日繰り返すと、サッシ周りは結露の水分でカビが発生するのに、室内の空気は乾燥したままでウイルスに感染しやすくなります。
なので、住環境の快適性を重視するならば、除加湿空気清浄機やエアコン、床暖房を持続運転したほうが家全体を安定的に快適に保つことができます。
ただし、持続運転をすると電気代が高くつきます。ほとんど出かけているなら余計無駄なコストになります。
そういう場合、除加湿空気清浄機で湿度をこまめに調節した方が電気代がお得です。
除加湿空気清浄機のオススメ製品について下記リンクで紹介しています。
除湿方式の違い
除湿方式にはヒートポンプ方式、デシカント方式、ハイブリッド方式の3つのタイプがあります。
- ヒートポンプ方式(コンプレッサー方式)
部屋の空気を冷やして結露起こし除湿する。エアコンと同じ方式。
- メリット
-
- 夏場の25℃以上の高室温で高い除湿効果を得る
- コストが安い(デシカント方式の半額)
- 除湿時の室温上昇が小さい(1℃)
- デメリット
-
- 冬場は能力が低い
- 動作音が大きい
- デシカント方式(ゼオライト方式)
ゼオライト(乾燥剤)で吸水、除湿する方式。湿った乾燥剤をヒーターで再度乾燥させて繰り返し使います。
- メリット
-
- 冬場、低室温でも除湿能力が高い
- デメリット
-
- 室温が上がりやすく夏場の使用には不向き
- ヒーターを使うので電気代が高い
- ハイブリッド方式
ヒートポンプ式、デシカント式の両方の機構を持ち、通年で高い除湿能力を持つのが特徴。
- メリット
-
- 一年中使える
- デメリット
-
- 本体が大きい
- 本体価格が高い
- 冬場の電気代が高い
除加湿空気清浄機の連続排水機能について
除湿に特化した除湿機の場合、連続排水機能を持つ機種があります。
- 連続排水
市販のビニールホース(普通の水道用ホース)を本体に接続し、除湿で集めた水をタンクに貯めずに随時排水する方式。
でも除加湿空気清浄機で連続排水機能を持つ機種を探してみたところ、連続排水機能を持つ機種は見つかりませんでした。
もし店舗などの使用を考えていて、連続排水をしたいのなら、除湿機+加湿空気清浄機の2台を運用する必要があります。
電気代は少し高くなりますが、3役こなせる除加湿空気清浄機を1台買うのと、除湿機+加湿空気清浄機の両方を買うのとでは本体価格ではそこまで差がありません。
むしろ各方式を自由に選べる、排水の手間がなくなる点はメリットです。ただし場所を取る、電気代が高いというデメリットがあります。また、加湿器に給水する手間はどうしても必要です。
除加湿空気清浄機のオススメ製品について下記リンクで紹介しています。
加湿方式の違い
加湿方式にはスチーム方式、ヒーターレスファン方式、超音波方式、ハイブリッド方式の4つのタイプがあります。
- スチーム方式
水を温めて気化させることで水分を空気中に放出する方式。
- メリット
-
- 加熱するので常に水を殺菌できて衛生的
- 加湿能力も高い
- メンテナンス頻度が1か月に1回で済むので手入れが楽
- デメリット
-
- 電源ONですぐに加湿されない
- 電気代が高い(月1300円ほど)
- 蒸気が熱い
- ヒーターレスファン方式(気化方式)
水で湿らせたフィルターに空気を当てて優しく気化させる方式。
- メリット
-
- ファンを回転させるだけなので電気代が安い
- 出てくる水蒸気は冷たいので安全
- 湿度を上げすぎてしまう過加湿が起こらない
- デメリット
-
- 加熱しないので雑菌が繁殖しやすく、不衛生になりやすい
- フィルターに寿命がある
- 急速な加湿ができない
- 超音波方式
-
- メリット
-
- 小型
- 静か
- 熱くならない
- 加湿能力が高い
- 電気代が安い(150円)
- デメリット
-
- 加熱しないので雑菌が繁殖し、不衛生になりやすい
- 週1で手入れが必要
- 水に含まれるカルキ成分等も部屋に飛び散る
- ハイブリッド方式(スチーム方式+気化方式)/(スチーム方式+超音波方式)
-
- メリット
-
- 熱くならない
- 加湿力が高い
- 手入れが楽(1~2月に1回)
- デメリット
-
- 純粋なスチーム方式ほどではないが、加熱することもあるので電気代が高い(1ヶ月1000円)
- 両方の機構を備えていて、構造が複雑で手入れが面倒
方式別の性能・特徴一覧表
機能 | 方式 | 1時間あたりの電気代 | 衛生面 | 夏 | 冬 |
---|---|---|---|---|---|
除湿 | ヒートポンプ式除湿 | 4.9円 | ◎ | △ | |
ゼオライト式除湿 | 13.4円 | △ | ◎ | ||
ハイブリッド式除湿 | 6円 | ◎ | ◎ | ||
加湿 | スチーム式加湿 | 3.5円~7円 | ◎ | ◎ | ◎ |
気化式加湿 | 0.1円~0.7円 | △ | ◯ | ◯ | |
超音波式加湿 | 0.9円~1.1円 | △ | △ | △ | |
ハイブリッド式加湿 | 加熱時: 4.8円~5.4円 非加熱時: 0.1円~0.7円 |
◯ | ◎ | ◎ |
空気清浄機の方式の違い
空気清浄機には三つのタイプがあります。
- ファン式(フィルター式)
現在主流のタイプ。
ファンで空気を吸い込んでフィルターを通し空気中の粒子をフィルターでキャッチする方式。排気口からは綺麗な空気が出ます。空気清浄能力が優れているのが最大のメリットです。
ただしデメリットは2つあります。
本体サイズと消費電力が大きい
ファンを使用しているので騒音が出やすい
- 電気集塵式(プラズマ式)
業務用の除加湿空気清浄機に使われている方式。家庭用でも最高級機に採用されている方式です。
取り込んだ空気に電気を放電して空気中の粉じんを集めます。放電でプラズマが発生するのでプラズマ式とも呼ばれます。
- イオン式
電極に高電圧をかけて空気中にイオンの流れを作り そこに入ってきた微粒子などを帯電させて集塵します。 ファンが無いのでデザインの制約を受けにくくコンパクトに作ることができます。ただしあまりの集塵力が低さに当局から排除命令が出るなどしたこともあり、現在はあまり流通していません。
効率のいい配置場所
壁際の中央に配置すると、送り出した空気が返ってきません。(返ってきにくい)
言い換えれば、壁際の中央に空気清浄機を配置すると、常に汚れた空気を取り込むことができるようになるので空気清浄が効率的におこなえます。
(綺麗になった空気がまた部屋を一周してきて、それをまた空気清浄機が取り込んで綺麗にするのは効率が悪い。)
除加湿空気清浄機のオススメ製品について下記リンクで紹介しています。
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