業務用全自動製氷機、小規模店舗用のおすすめ

以前私が実際に製氷機を購入・導入した経験を踏まえて業務用全自動製氷機を購入する際の気をつけたい点や予備知識、方式別の味や溶けやすさの違いについて説明しました。
このページでは、上記リンクの内容を踏まえた上で店舗形態ごとに適した業務用製氷機をいくつか紹介します。
目次
居酒屋、飲食店などの小規模店舗
居酒屋など
ラーメン屋、飲食店など
この2種類では、明らかに氷の消費量が違います。
スナック、居酒屋の客1人あたりの氷消費量は多い
スナック、居酒屋などはお酒に大量の氷を使います。一般的には、氷の消費量は次のように計算できます。
- 店舗の氷の消費量の算出計算の公式
客席数×1.6 kg~2.2 kg=製氷機の1日の製氷能力
もし客席数が11~16席の店舗なら、約25 kgの製氷機を導入すればいいことが分かります。(多くの業務用製氷機の一番小さいサイズが20~25 kgです。)
飲食店舗の客1人あたりの氷消費量は少ない
一方、ラーメン屋、喫茶店などの飲食店のようなお店の場合は1人のお客さんが氷をたっぷりいれたドリンクを何回もお替りすることはあまりありません。
せいぜい、入店時に小さいコップで出すお水、冷たい飲み物を1~2杯程度です。なので氷をあまり消費しません。
前述のとおり、一般的には客席数×1.6 kg~2.2 kgが氷の消費量と言われています。
でもラーメン屋や普通の飲食店に限った話でいえばもっと少ないです。25 kgタイプでも15人~20人程度までは十分対応できるのではないでしょうか。
これらの場合にピッタリなのが次の2つです。
【卓上タイプ】ホシザキ 製氷機 IM-20CM、IM-20CM-F
【台下タイプ】ホシザキ 製氷機 IM-25M-1
以下で特徴を説明します。
【卓上タイプ】ホシザキ 製氷機 IM-20CM、IM-20CM-F
- 機種名
- IM-20CM
- IM-20CM-F
- タイプ
- 卓上タイプ、床置型タイプ
- 製氷方式
- セル方式(透明で美味しい氷が作れるタイプ)
- 製氷能力
- 室温20℃、水温15℃の場合|約19/20 kg/日(50/60 Hz)
- 室温30℃、水温25℃の場合|約14/17 kg/日(50/60 Hz)
- 貯氷量
- 自然落下時貯氷量:約8 kg
- 最大ストック量:約9 kg
- 電源
- 単相100 V 50/60 Hz 0.55 kVA(5.5 A)
- 消費電力
- 190/210 W
- 外形寸法
- 幅450×奥行450×高さ630 mm
この製氷機の特徴を要約するとこんな感じです。
製氷方式はセル方式なので、透明で美味しい氷が作れる。
ホシザキ製品のなかで、唯一の卓上タイプ。(執筆時点)
IM-20CMは卓上、IM-20CM-Fは床置型で長い脚を持つ。
カウンターや作業台の上にも置けるし、店舗のカウンターの下に設置することもできる。
1日あたりの製氷能力20 kgは小型店舗、小規模店舗に最適。
IM-20CMとIM-25M-1の違い
2つの製品を比べて違う点、気になる点は次の通りです。このIM-20CMを基準にして説明します。
- 寸法
次に紹介するIM-25M-1に比べると、高さが140 mm低い代わりに横幅が+55 mmあり、少しズングリムックリしています。
- 消費電力が大きい
このIM-20CMは190/210 W、IM-25M-1は160/180 W。消費電力が30 W(約16~18%)高いのが少し気になります。
待機電力が両者でそれほど大差がないことを考慮すると、このパーセンテージが電気代に直結するとは少し考えにくいです。でも、IM-25M-1の年間電気代は約28000円を基にして正味で+17%だと仮定すると、この製品の電気代は5000円ほど高くなります。(33000円ほどになる計算)
本体代はこのIM-20CMのほうが1万円ほど安いのですが、ランニングコストや長い目で見ると割高になります。
- 製氷能力・貯氷量が少し低い
IM-25M-1と比べると、このIM-20CMの方が製氷能力・貯氷量が少し小さいです。
床には置く場所がないとか、どうしても卓上じゃなければならない限り、コレを買うメリットはほぼありません。
以上より、次に紹介するIM-25M-1をオススメします。
【台下タイプ】ホシザキ 製氷機 IM-25M-1、小規模居酒屋に最適
- 機種名
- IM-25M-1
- タイプ
- アンダーカウンタータイプ
- 製氷方式
- セル方式(透明で美味しい氷が作れるタイプ)
- 製氷能力
- 室温20℃、水温15℃の場合|約24/26 kg/日(50/60 Hz)
- 室温30℃、水温25℃の場合|約19/22 kg/日(50/60 Hz)
- 貯氷量
- 自然落下時貯氷量:約8.5 kg
- 最大ストック量:約14 kg
- 電源
- 単相100 V 50/60 Hz 0.55 kVA(5.5 A)
- 消費電力
- 160/180 W
- 外形寸法
- 幅395×奥行450×高さ770 mm
この製氷機の特徴を要約するとこんな感じです。
製氷方式はセル方式なので、透明で美味しい氷が作れる。
ホシザキ製品のなかで、台下製氷のセル方式の一番小さいサイズ。(執筆時点)
店舗のカウンターの下に設置することができる。
1日あたりの製氷能力25 kgは小型店舗、小規模店舗に最適。
この製氷機で作られる氷は砕いたりする必要がなく、そのままグラスに入れて提供することができます。そのため、回転や効率性を重視した飲食店や居酒屋などで活躍します。

上の写真の一番左の氷は自宅の冷蔵庫の製氷皿で作った氷。真ん中と右はIM-25M-1で作った氷です。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、実際には透明度がかなり違います。この透明度は味や溶けにくさに直結しています。
IM-25M-1を実際に導入した時の費用や経緯
私はこのIM-25M-1を購入し、実際に、居酒屋店舗に導入したことがあります。購入時のIM-25M-1の市場価格は税込みで16万円ほどでした。
設置する際、浄水器がなかったのでビルトインタイプの浄水器も設置しました。浄水器の水は飲料用としてシンクの蛇口から出るようにしたのとは別に、分水栓を使って製氷機へと繋いで兼用にしました。
合計で20万円~21万円ほどで設置したと記憶しています。参考になれば幸いです。
依頼する業者によっては、工賃をもっと安く抑えられる可能性はあります。
ただし、浄水器の本体価格が2~3万円、製氷機が約16万円、分水栓が1万円弱。材料費だけで19万から20万円必要です。設置費・工賃などを含むと「まぁこんなもんかなー」という感じです。
スナック、バーなどの小規模店舗
【居酒屋】と【スナックやバー】、一見するとこれらは同類に見えます。必要な氷の量はそんなに変わりませんからね。でも性質は少し異なります。
【スナックやバー】の店舗では【ビッグアイス】や【キューブアイス(8cm角)】などの大きな氷が必要となる場合があります。
なぜなら、オン・ザ・ロック用の氷や、ステア用のかち割り氷が必要だからです。
でもこれらの大きな氷はそのまま使うことができず、割ったり削ったり何かしらの加工が必要です。そういうのが面倒なら上で紹介した製品の方がオススメです。でも、水商売は
大きな氷を使って溶けにくくする
特別感を演出する
これらのサービスで料金を取っています。自分が客だとして、高いお金を払っているのに小さなキューブアイスでステアされたらイヤではありませんか?お店の雰囲気やグレードにもよりますけど、個人的にはそういうお店をあまり高く評価できません。
以下では、【ビッグアイス】、【キューブアイス(8cm角)】のそれぞれの製氷機のメリット・デメリットを挙げます。
【キューブアイスメーカー(8cm角)】ホシザキ 製氷機 IM-95TM-1-80
- 機種名
- LM-250M-1
- タイプ
- アンダーカウンタータイプ
- 製氷方式
- セル方式(透明で美味しい氷が作れるタイプ)
- 製氷能力
- 室温20℃、水温15℃の場合|約9/10 kg/日(50/60 Hz)
- 室温30℃、水温25℃の場合|約9/10 kg/日(50/60 Hz)
- 貯氷量
- 自然落下時貯氷量:約19 kg
- 最大ストック量:約28 kg
- 電源
- 単相100 V 50/60 Hz 0.99 kVA(9.9 A)
- 消費電力
- 460/530 W
- 外形寸法
- 幅1000×奥行600×高さ850 mm
この製氷機の特徴を要約するとこんな感じです。
8 cm(80 mm)角の氷を作ることができ、オン・ザ・ロック用の丸氷(ランプ・オブ・アイス)として使うことが出来る。
砕けばかち割り氷、クラッシュドアイスなど、幅広く活用できる。
生成効率が悪い
この製品は大きな氷を作ることができるので、色々な使い方ができます。でも、大きな氷を作るのはとても生成効率が悪いのです。他の製品に比べてかなり大きく、電気代も2倍以上高いのに、作れる氷は1日に10 kgで、他の製品よりはるかに少ないです。
そこで注目したいのがLM-250M-1です。
【ビッグアイスメーカー】ホシザキ 製氷機 LM-250M-1
- 機種名
- LM-250M-1
- タイプ
- アンダーカウンタータイプ
- 製氷方式
- セル方式(透明で美味しい氷が作れるタイプ)
- 製氷能力
- 室温20℃、水温15℃の場合|約26/28 kg/日(50/60 Hz)
- 室温30℃、水温25℃の場合|約22/24 kg/日(50/60 Hz)
- 貯氷量
- 自然落下時貯氷量:約6 kg
- 最大ストック量:約10 kg
- 電源
- 単相100 V 50/60 Hz 0.50 kVA(5.0 A)
- 消費電力
- 220/240 W
- 外形寸法
- 幅500×奥行450×高さ850 mm
この製氷機の特徴を要約するとこんな感じです。
ビッグアイス(48×48×58 mm)を作ることができる。(1個で約133ccとなる)
手の平に収まるこの氷を半分に割れば、ちょうどいいサイズのかち割り氷となる。
多くのタンブラーグラスは口径が60 mm以上はあるので、寸法的にはそのままグラスに入れることも可能。
小さめのロックアイスとして、角だけ落として使うのもアリ。
このビッグアイスメーカーだとオン・ザ・ロック用に1個の氷から削り出す「ランプ・オブ・アイス」としては少し小さいですが、通常よりかは大きな氷を作れること、製氷効率、省エネ性能、コンパクト性などを総合的に見ると非常に優れています。
もし私がバーやスナックを経営するなら、このLM-250M-1を導入し、普段はかち割りとして使いつつ、オン・ザ・ロックの時だけは角だけ落として使うか、市販の板氷を使うでしょう。オン・ザ・ロックってそんな頻繁に注文されることがありませんからね。
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