高級な広角レンズは将来性があり、長年役立つと考えている話

2020年12月15日

広角レンズと望遠レンズを比較した場合、広角レンズのほうがこれから需要が増えるし、長年役立つのではないか?と考えている話です。
サムネイルの写真はタンスの肥やしになりかけている私のSony a7S3, SEL20F18G, ECM-B1Mです。撮影はa6300, SEL55210です。

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展望:画素数が増えればクロップで解決できる場面は増える

まぁこれはちょっと長期視点すぎるかもしれませんけどね。
近い将来にカメラの画素数とセンサー感度が飛躍的に向上した場合、広角側で撮影してもクロップして使えば、手ブレ補正がガチガチに効いたズームレンズのように使うことができるはずです。要は、画素数が向上すれば望遠レンズを兼用できると考えているんです。もっと言えば、画質が劣化しやすい高倍率ズームレンズよりも、光学的に安定性のある単焦点レンズや、低倍率なズームレンズのほうが潜在的な価値があると思っています。

例えば、あなたが現状で焦点距離600mmで鳥が撮影したいと思っているなら、グッと我慢して300mmまでのレンズを買っておけば、将来、クロップで600mm相当までカバー出来るやろ?と言いたいのです。

高精細に撮影したものを敢えてクロップすることが勿体無いと思う気持ちも分かりますし、600mmを買えば世界が更に広がるという思いも分かるんですが、600mmレンズは高いしデカイし重い。安くて小さくて軽い300mmのレンズでこれが実現できる日が来ると思えば、楽しみが増えませんか?

もちろん、カメラの買い替えが必要だったり、背景ボケの度合いが違うのでそもそも撮れる画が違ったり・・・解像度が上がるだけですべてが解決できるとは思いませんが。

画素数による画質向上の限界

4Kや8Kの登場以降、単に画素数を増やすだけでは画質を向上できないところまで来ていて、HDR化が進んでいることからも、映像業界は画質向上のために画素数よりもBit深度や色域の拡張にシフトしているように思います。

視聴するモニターの大きさには限りがありますからね。特に多くのユーザーはスマートフォンでメディアを視聴していて、この画面サイズではFHDプラスで十分な画質を既に得ています。

なので、カメラの画素数が現状よりも遥かに多い世界では、広角で撮影したものをクロップする機会が多くなる気がしているんです。現在でも360度カメラの映像をクロップして使うのと同じようにね。何十年も先の未来ではそれが常識になっているかもしれません。

例えば、飛んだり動き回る鳥を望遠で必死に撮るよりも、広角で撮ってからクロップしたほうがより安定した映像ができるでしょ?画角から外れるリスクも手ブレも減らせます。しかも焦点距離が小さいレンズなら自重も軽くなりますから、更に手ブレを軽減できます。

もちろん画素数が向上した世界でも、望遠で撮影してクロップすれば更に遠くのものを拡大できる恩恵も得られるようになるので望遠レンズが不要になるとは思いませんが、いくら望遠できたとしても被写体が画角に収まらなかったりブレブレでは意味がないでしょう?現行システムでは、被写体にカメラを向ける動作自体は何年経とうが「手動」のままなんですから。

そういう意味で、画素数が進歩するに連れて手持ちのどのレンズも望遠能力を潜在的に徐々に得ていると言えます。一方、既に作られたレンズの画角を科学の進歩で広げることは物理的に不可能です。(ワイドコンバーターを使えば可能ですが、それって画質の劣化に繋がりますよね)

その世界は10年や20年で訪れるので、現行のマウントもレンズもそのまま使えるだろうと私は踏んでいます。要は現行のマウントシステムが崩壊するほどのパラダイムシフトが起こる前にその世界はやってくると思っているんです。でも、もしかしたらもっと早いかも。というのもFHD60p初登場(2011年)から4K60p初登場(2017年)までは約6年くらいですから、8K60pが登場するのは2023年くらいで、16K60pは2030年くらいでしょうか?

ロードマップも調べてないし単純計算なのでだいぶいい加減ですが、気になっているのはセンサー感度の問題ですね。デジタル処理自体はムーアの法則にそれなりに従っていると思いますが、センサー感度がそれに沿っているかちょっと不安。

世界初のFHD60pと4K60pデジタルカメラ

以下ざっと調べてみました。
プロ用機材はどうか知りませんが、少なくとも民生用デジタルカメラはこんな感じ。間違ってたらごめんなさい。

世界初のFHD60pのビデオカメラ

パナソニック HDC-TM700(2010年3月10日)

世界初のFHD60pのデジタルカメラ
  • DMC-FZ150 デジタルカメラ パナソニック(2011年9月22日)
  • ソニー NEX-7(2011年11月)など
世界初の4K60pのデジタルカメラ

パナソニック GH5(2017年3月23日)

世界初の4:2:2 10bit 4K60pのデジタルカメラ

パナソニック LUMIX DC-S1(2019年7月18日)

なので、交換式レンズを買うならなるべく高級で高精細な広角寄りのレンズを買うというのは思っている以上に将来性があるんじゃないかな~。という私なりのデジタル一眼カメラに対する展望のお話でした。

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