動画編集ソフトDavinci Resolveに最適なグラフィックボードとは?
高性能動画編集ソフト、Davinci Resolveに最適なグラフィックボードは何か。
主に、スマホやミラーレス一眼で動画を撮影してWindows PCでDavinci Resolveで編集してYoutubeにVlogをアップしたい!みたいな人向けで書いてます。
Davinci Resolveの私の環境設定については下記リンクで紹介してます。
解像度別のおすすめのグラボはこちらで紹介しています。
もくじ
結論
FHD画質でとにかく安くしたいならGTX 1660 SUPERくらいが良い(4K30pもギリギリ出来なくもない、というか私はしてる)
ただしRTX3000シリーズが2020年9月に出た以上、GTX 1660 SUPERはコスパは悪い。絶対的な金額としては安いけども。
なので、既に有償版Davinci Resolveを買った身としてはこれを読んでいる方の背中を押したい。「変にケチらずにRTX 3000シリーズ以上を買ったほうが後々のことも考えると絶対に得!!!」と。
4Kも360度映像もやりたくて、バランス重視ならRTX 3080(4K60p)
8K映像もやりたい、とにかく高性能がいいならRTX 3090一択
RTX 3070はあまりオススメしない
RADEON RX 580やRX 590あたりの安いグラボはワットパフォーマンスの観点からオススメできない
そもそも、OSがWindowsならシステム上の関係でRADEONシリーズを使うべきではない(後述部分に移動する)
高性能グラボを買うなら、まず有償版のDavinci Resolve Studioを買わなければいけない。(有償版じゃないとどちらの効果もフルに発揮できない)
機種名 | GPU メモリ (VRAM) |
シェーダー CUDA Core数 |
Flops(fp32) | ベンチマーク (参考スコア値) |
メモリ タイプ (GDDR) |
発売日 |
---|---|---|---|---|---|---|
GeForce RTX 3090 |
24 GB | 10496 | 35.58 TFLOPS | 25566 | GDDR6X | 2020年9月 |
GeForce RTX 3080 Ti |
12 GB | 10240 | 34.10 TFLOPS | 26616 | GDDR6X | 2021年6月 |
GeForce RTX 3080 |
10 GB | 8704 | 29.77 TFLOPS | 24459 | GDDR6X | 2020年9月 |
Radeon RX 6900 XT |
16 GB | 5120 | 23.04 TFLOPS | 26989 | GDDR6 | 2020年12月 |
GeForce RTX 3070 Ti |
8 GB | 6144 | 21.75 TFLOPS | 22485 | GDDR6X | 2021年6月 |
Radeon RX 6800 XT |
16 GB | 4608 | 20.74 TFLOPS | 23295 | GDDR6 | 2020年11月 |
GeForce RTX 3070 |
8 GB | 5888 | 20.31 TFLOPS | 21878 | GDDR6 | 2020年10月 |
Radeon RX 6800 |
16 GB | 3840 | 16.17 TFLOPS | 20709 | GDDR6 | 2020年11月 |
GeForce RTX 3060 Ti |
8 GB | 4864 | 16.20 TFLOPS | 19635 | GDDR6 | 2020年12月 |
GeForce RTX 3060 12GB |
12 GB | 3584 | 12.74 TFLOPS | GDDR6 | 2021年2月 | |
GeForce RTX 2080 Ti |
11 GB | 4352 | 13.45 TFLOPS | 21584 | GDDR6 | 2018年9月 |
GeForce RTX 2070 SUPER |
8 GB | 2560 | 9.062 TFLOPS | 18126 | GDDR6 | 2019年7月 |
GeForce RTX 2060 SUPER |
8 GB | 2176 | 7.181 TFLOPS | 16369 | GDDR6 | 2019年7月 |
GeForce RTX 2060 |
6 GB | 1920 | 6.451 TFLOPS | 14927 | GDDR6 | 2019年1月 |
GTX 1660 SUPER | 6 GB | 1408 | 5.027 TFLOPS | 12706 | GDDR6 | 2019年10月 |
Radeon RX 590 |
8 GB | 7.119 TFLOPS | 9505 | GDDR5 | 2018年11月 | |
Radeon RX 580 |
8 GB | 6.175 TFLOPS | 8690 | GDDR5 | 2017年4月 |
DDRとGDDRの互換性と相性
メモリにはDDR4とかDDR5といった規格があって、メモリとマザーボードは同じ規格でないと使えません。そもそもソケット形状が違うので刺さらない。
一方、グラフィックボードにはGDDR5やGDDR6やGDDR6Xがありますが、仮にマザーボードがDDR2やDDR3対応の古い機種でも、グラフィックボードのGDDR6Xは問題なく稼働します。古いマザーボードだとパフォーマンスが出ませんが、ソケットは一緒なので刺さりますし、動くのは動きます。
なので、「古いマザーボードなんだけど使えるのかな?」という心配は御無用です。
Davinci Resolveって何や?
Davinci Resolveは、高性能な動画編集ソフト。買い切り式でライセンス取得が可能なので、AdobeのCC(Creative Cloud)のような月額・年額のコストが掛かりません。しかも無償版でも全然不自由しない機能で商用利用もできるソフトです。個人的には本当にコスパ最強の神ソフトだと感じます。
なので私も、2019年末になってインストール&勉強し始めて、2020年初めに有償版を購入し、Youtubeに魚釣り等の動画を上げ始めました。動画編集って楽しい!(Youtubeにはあんまり上げれてないけど、編集でしょっちゅう遊んでる)
まずは有償版のDavinci Resolveを買うべき
Davinci Resolveの有償版と無償版ではグラボの振る舞いが異なります。(たとえば無償版では編集時のエンコードでグラボが機能しなかったりデリバーでNVENCが使えないはず、俗に言うハードウェアエンコード)
高性能グラボを使いたいなら、まず有償版のDavinci Resolveにしたほうが賢明です。そうじゃないと高いグラボを買ってもあんまり意味がありません。
Davinci Resolveにおけるグラフィックボードの役割
PCのパーツ | Davinci Resolveでの役割 |
---|---|
CPU | デコード、エンコード(レンダリング、最初のメディアの読み込み&最後の書き出し) |
グラフィックボード | 作業時のエフェクト処理など、作業時の処理全般 |
メインメモリ(DDR SDRAM) | VRAMとの橋渡し(極論を言うと、沢山積んでも無意味)16-32 GBあれば良い |
表では簡潔にまとめましたが、レンダリング時にグラフィックボードが一切仕事をしないわけではありません。ハードウェアエンコードならバリバリに動きますし、高性能なグラフィックボードを積んでハードウェアエンコードをおこなえば、レンダリング処理は確実に速くなります。ソフトの性能がどのパーツに大きく依存するかは使用する編集ソフトによって違いますが、Davinci Resolveの場合はCPUよりもグラフィックボード性能に大きく依存しています。
WindowsのDavinci ResolveでRadeonを使ってはいけない理由
冒頭で触れた「後述部分」をここで説明します。
- OSがMacならNVIDIA製(GeForce等)でもAMD製(Radeon等)でも良い
- でもWindowsならNVIDIA製(GeForce等)にするべき
なぜなら、WindowsのDavinci ResolveではRadeonの性能を十分に引き出せないからです。
RadeonはMetalというAPIで動作するのが理想です。MacでRadeonを使えばMetalで動作するのですが、WindowsではMetalではなくOpenCLで動作してしまいます。これが良くない。なのでWindowsならNVIDIA製を買うべきなんです。NVIDIA製ならCUDAで動作するからです。
ちなみにMacならNVIDIA製でもAMD製でもどっちでもOK。でもDavinci ResolveはMetalに最適化されているらしいので、同じ価格帯、同じベンチマークスコアという条件ならば、AMD製のほうが動作が軽くなります。もちろん、NVidiaの圧倒的に高性能なグラボならそっちのほうがパフォーマンスは高いですが。
詳細は下記リンクでも紹介しています。
解像度別のおすすめのグラボはこちらで紹介しています。
6 GBと8 GB、どっちがいいのか
Davinci Resolve上でのグラフィックボードの優劣は、Flopsの数値、またはベンチマークスコアに直結すると言われています。同じクラスの製品を比較した場合、メモリの容量やFlopsの数値が大きい方がDavinci Resolveには適しているということです。
同価格帯で比較した場合、GeForceのほうがベンチマークスコアは優勢の場合が多いですが、AMD製のほうが価格が安くてVRAM容量が大きいことが多いので、この数値を見てどっちにしようか悩んでいる人もいると思います。(私がそうでした)
上でもRadeonはダメだという話に触れました。まぁ結論としてはGeforceを買うべきなんですが、この悩みを払拭するきっかけをくれたのが下の動画。
この動画で検証しているのは次の3つですが、とても興味深い結果です。
- GTX 1060
- RX 480
- GTX 980
動画を見ると、ベンチマークスコアではグラボごとの特色が見えてくるものの、やはりレンダリングではそこまで大差が無いように見えます。(1分53秒から)
レンダリングでも一応グラフィックボードは活躍していてその処理時間に影響を与えるはずですが、レンダリングでここまで差が無いとなると、編集作業中のエフェクト処理でも同様の結果になるのではないかと考えます。
一方で、グラフィックボードの種類によってはCPUとGPUの受け持つ負担率が違うという話もあるようです。1080 TiやRX 580はLuts処理で80%使用すると言っています。
でもだからといって、「じゃあ本体価格が安いAMD製でいいやん!」とはならない。
まず、どんぐりの背比べだから。フルHD(1920*1080)程度であれば結局どれも体感差はそこまで無いと思う。でも、もし4K画質を視野にしているなら最上位クラスのグラボを買うべき。最低でもGTX 1080 TiやRTX 2070 SUPER以上の性能を持つグラボ。
もう1つの理由は電気代。同世代・同価格帯でFLOPSが高いのはオーバークロックに頼っていることが多く、電気代までトータルで考えると割高になる。しかも熱もファンの騒音も大きい。Davinci Resolveでアフレコする人には結構厄介。
あとはDavinci Resolve以外のソフト(例えばネットゲーム)などをしているなら、ゲームではGeforceのほうが有利なことが多い。
おそらくVRAMが多いRadeonのほうが、エラー落ちの発生は少ないはずです。でもランニングコストが悪いこと、APIの違いによってRadeonのほうが遅いこと、他のソフトでの汎用性等を考えるとNVidia製の方がトータルでは有利になることが多いと思います。
一般説ではこうです。
- 4K60fpsなら最低でもグラボメモリ8 GB必要
- 8K60fpsなら最低でもグラボメモリ16 GB必要
- じゃないとMemory Fullのエラーの要因になる
個人的には4Kなら24pでも8 GB以上のほうが無難だと感じますね。
でもこれって、逆に言えばフルHD(1920*1080)程度ならVRAMが8 GBも要らないとも言えるんですよね。いや、そりゃ多いほうが処理もスムーズだしレンダリングも安定するのでいいんですが、現状のグラフィックボードの市場価格を見るに、2倍も3倍もお金を費やしてまで4K用スペックを買う意味があるのか?というところなんですよね。ガチ勢ならともかく、少なくともライトユーザーにとっては。
RX 580、GTX 1660 Ti、RTX 2060らへんの比較については下記動画が参考になります。
RX 590は燃費が悪いので、どちらかと言えばRX 580を推奨します。
GPUメモリ2 GBでもDavinci Resolveは動くのか
私のPCで検証してみました。仕様は以下の通り。
- CPU: Core i7 3820
- MB: X79
- RAM: 24 GB PC3-15000 (DDR3-1866) 8 GB*3枚
- GPU: NVidia GeForce GTX 660 Ti
かなり年季が入ってる。結論から言うと、動くっちゃ動くけど重いし固まりやすいし落ちやすい。
まずタスクマネージャーを見てみると、Davinci Resolveを開いただけで専有GPUメモリ使用量が 1.7 GB/2.0 GB になっています。(メモリが13.6/23.9GBとかになってますけど、10 GBくらいはChromeに使われています。Chromeを閉じても専有GPUメモリ使用量は 1.3 GB/2.0 GB)

例えば、FHDの動画をメディアプールに取り込み、最適化メディアを生成して、クリップを切り貼りして、BGM、字幕、効果音を付けるだけなら一応問題なく編集作業はできます。ちょっとカクつくこともありますけど、そこまで支障はありません。
ところが、Fusionページ等でノードを1つ追加してあれこれするとあっという間にフリーズ、落ちる。酷い時はPCごとリセットを迫られます。
特に、4K画質だと静止画ですらFusionページでエフェクトを掛けると一気に重くなりますね。↓↓↓

上の画像見たらわかると思うんですけど、負荷をかけた瞬間、専有GPUメモリ使用量がちょっと増加して、天井に当たるかと思ったらクラッシュして落ち込んでいるんです。CPUやGPUが頑張る以前の話。
CPUとかGPUが頑張っていないときでもGPUメモリだけがあっぷあっぷ状態で、CPU等の性能以前にビデオメモリの不足が作業時の重さの要因だと考えられます。
- マスター設定でタイムライン解像度を落とす。
- 上部タスクバーの「再生メニュー」でプロキシモードをQuarter ResolutionやHalfに設定する。
こういう設定変更で緩和はできてる気がしますけど、ほぼ焼け石に水ですね。この状態で1つだけパーツを買い換えるなら間違いなくグラフィックボードです。
Davinci Resolveに必要なメインメモリ容量
こんな具合。
- メインメモリ(グラボのVRAMではなくSDRAM)は8 GBあれば一応動く
- 出来れば16 GB以上が推奨(Davinci Resolve 14までは12 GBまでしか使わない仕様だった)
- 現状だと、ハイスペックでも24 GB+αあれば十分で、32 GBあればほぼ満足
- 64 GB以上あったらめっちゃ恩恵があるかというと、そうでもない
2020年だと、10万円を超えるようなグラボでもメモリ(VRAM)は11 GB(GeForce 2080 Ti等)程度。2枚刺しでも22 GB。TITAN RTXやRTX 3090でも24 GBなのでシステム側のメインメモリはこれ以上あれば充分です。あとはOSや他のソフトを常駐させる分だけ予備があればいいので、通常の使い方なら32 GBでも足りるはず。
もちろん、PhotoshopだのメーラーだのGoogle Chromeなど、他のソフトも同時に立ち上げるのであればやっぱり多い方が良いんですけどね。特にGoogle Chromeはメモリを大量に使いますから。(複数のページを常駐で開いてると、それだけでOSと合わせて10 GB以上専有することもある)
グラボは2枚より高性能1枚刺しがオススメ
安いのを2枚刺しより高性能1枚のほうがいい。(2枚刺しをしてもOSはメモリが2倍とは認識しない)
なぜなら、無償版Davinci Resolveはグラフィックボードを1枚しか認識しないから。
更に、有償版でもマルチGPUに対応していないエフェクトがあるから。(「時間的ノイズリダクション」と「オプティカルフロー」という一部のエフェクト、外部のオープンFXなど)
NVLinkのSLIやCrossfireXなら2枚刺しで容量が2倍の認識になるという情報あり(でも実質的な性能向上効果は1.3~1.5倍ほど)
「高性能1枚だけ」よりも「高性能1枚+低性能1枚」のほうがレンダー速度は速いとの情報もある。(環境設定で高性能側はCUDA、低性能側はGUIに設定することで良い結果を出している人がいた。ただし作業上でのスペックについては語ってなかったので未知数というか未検証で、電気代まで考えるとオススメできるほどの内容とは言いにくい)
RTXシリーズやQuadroなら2枚刺しでも効果が高いか
GeForceのRTX 20シリーズ(NVLink対応)やRTX 3090やQuadroなら、2枚刺しでメモリをちゃんと2倍認識してくれるという話もあります。「未検証なのでもしかしたらQuadroだけかもしれない」というちょっと不確かな情報。これはソフト内でどれだけ認識しているかという話。
NVLinkじゃないとマルチGPUは無意味?
Davinci Resolveで2枚刺しが有効になるのはNVLink対応で専用のブリッジ端子を持つモデルのみです。ここ注意。
Davinci Resolveでのグラボ2枚刺しの詳細は以下の動画を見てね。
ただし上でも述べたように、NVLINK無しでも環境設定で高性能側はCUDA、低性能側はGUIに設定することで処理を分散させてレンダリング速度を向上させている人も実際にいます。でもNVLINKじゃないですから、あくまでもメモリ認識は1枚分だけのはずですし、メインの処理には1枚しか機能していないはずです。しかもVRAMは低いほうの認識に引っ張られるはず。
また、こういった使い方はマザーボードのスロットの無駄遣いにもなるし電気代も掛かるので、あくまでも「奥の手」くらいに思ったほうがいいでしょうね。既に所有しているグラボでなんとか凌ぎたい人とか、スロットやグラボが余ってる人とかのね。
Davinci Resolveで使えるVRAMの量
これについて正確な情報は掴めてません。確かなのはDavinci Resolve 14まではSDRAMが12 GBまでしか使えなかったということだけ。
Davinci Resolve 15の時点でもそこまで劇的に変わって無くて、しかもVFX用に割り当てられるVRAMも以前と変わってないらしいんです。一方で、8K映像には最低16 GBのVRAMが必要という話も聞きます。なので私の中では「Davinci Resolve 16ではどちらも16~20 GBくらいは使えるってことかな?」くらいの推測の域を出ない状態です。
ただし、Davinci Resolveは頻繁にアップデートがおこなわれているソフトなので、今後も順次増えていく可能性が充分高いのでは?と個人的には感じています。
Youtuberでも4K画質派はまだ少ない
「高性能な4K対応カメラを使うから高性能グラボがどうしても要るんや!」っていうのであればそれまでなんですけど、多くの人はスマホかiPadみたいなモニタで見ているので、そもそも4Kの需要が少ない。例えばヒカキンさんとか瀬戸弘司さんみたいな人気YoutuberでもフルHDまでが多い印象。(その後、瀬戸さんは2020年9月4日に投稿した動画で4K60p移行宣言を出してました)
ドリキンさんは4Kで上げまくってますけどね。下の動画ではGTX 1080とRTX 2080 Tiの換装前後を比較しています。GTX 1080でも充分速い。
将来に向けて今から4Kに対応させるのは悪いことではないですけど、現状ではそこまで頑張る必要ない気もする。とは言え機運が高まっているのも確かなので、過渡期なんでしょうね。
2020年8月6日追記:瀬戸弘司さんとドリキンさんがシネマティック対談
上記の通り 4K画質派は少ないっていう話を2019年末にしましたが、なんと瀬戸弘司さんとドリキンさんがシネマティック対談をする展開が訪れて、その中で瀬戸さんが4K&Davinci Resolveに転向する可能性もあるかも?みたいな話が出てました。前後編で3時間ありますけど、この動画めっちゃ面白いのでおすすめです。個人的には2020年に見た最も価値ある動画の1つです。
この動画についての所感はTwitterにツリー形式で残しておきました。
今年見た動画で1番価値あるかもって思った
— maa 麻 (@rokumaru_ldwyl) August 3, 2020
「瀬戸弘司さんと語る今後10年のYouTube戦略 前編」第1018話 https://t.co/2563iHB6K6 @YouTubeより
そもそも、全天球カメラが4Kクロップに対応していない
これはアクションカムを使っている人向けの話。現状では高価格帯のグラフィックボードに手が出せない理由の1つ。
例えばGoPro MAXとかInsta360 One XやRみたいな全天球カメラを使う場合だと、撮影時は6Kとかあっても実際に使う画角をクロップ(抜き取る)時にはフルHDくらいになっちゃうんですよ。つまり、いざDavinci Resolveで編集する段階では既に4Kではない。(MikasuさんっていうYoutuberみたいに少し大きめにクロップして4K出力する人もいますけどね。画面の端は魚眼効果で歪みやすいですが。)
ちなみに私は、GoPro MAXよりもInsta360 One R推しですね。優位性については下記動画で詳しく解説されています。(というか私も実際にOne RとMAX両方使っているので)
他のパーツがボトルネックになるうる
現状の他のパーツが古いと、グラフィックボードだけ高性能なものにしても十分に効果が発揮できません。超高性能なのを買うんだったら「メモリもCPUもマザーボードも全部買い換えるべき」てなっちゃう。
いや、もちろん全部買い換えも1つの手ではあるんです。最近だとAMDのCPUのコスパが非常に優秀ですからね。
RTX IOがボトルネックを解消する一助になるかも
ただし!!
ただしですよ、2020年9月に発表されたRTX IOという技術を利用できれば、古いPCでもDavinci Resolveをサクサクと軽く動かせるかもしれません。
- RTX IO
Windowsとコラボした技術で、ストレージとGPU間の速度を最大100倍にできるダイレクトストレージAPI。端的に言うと、グラボがPCIe経由で直接HDDやSSDのデータを展開・圧縮できる技術。ボトルネックになるCPUやSDRAMを介さないことで高速化し、CPU負荷も大幅に低減する。


規格 | 処理速度 | 消費CPUコア数 |
---|---|---|
RTX IO | 14 GB | 0.5 |
Gen4 SSD Compressed | 14 GB | 24 |
Gen4 SSD | SSD: 7 GB | 2 |
SATA SSD | 0.5 GB/s | 0.2 |
SATA HDD | 0.2 GB/s | 0.1 |
ということは、CPUが古くても、良いグラボを積むだけでパソコンを丸ごと買い換えるかのような大きな恩恵を得られるかもしれないということです。
でもこれには2つの懸念があります。
- 1つ目:CPUがメインとなる処理では恩恵は無いのでは?
例えば最適化メディアの生成やレンダーキャッシュの生成にはCPUが大きく動いていてグラボがあまり動いていないことがあります。
もしこれらの処理がCPUがメインで動く処理だとしたら、効果の期待は薄い。- 2つ目:結局ストレージ自体がボトルネックになる
NVMe M.2 SSD以上の性能のストレージじゃないと恩恵が得られないんじゃないかといことです。仮にストレージと直結できたとしてもストレージ自体がボトルネックになりますからね。
なので、この技術が効果を発揮するのはこんな環境ではないでしょうか。
ストレージ自体が高速通信できる環境
現状よりも大幅に向上したネットワーク環境
だって、NVIDIAが言っている14 GB/sって100 Gbps(100メガじゃないよ)のネット環境でもフルカバーできる計算ですからね。
もちろん、CPUの負荷が減る分、CPUは他の仕事ができるので、CPUがショボければショボいほど恩恵は大きいのですが、それと同時にストレージの通信規格がショボければショボいほど恩恵は少ないということになります。
Davinci ResolveはハイスペックPCであってもプロジェクト間を移動する際にものすごくもっさりした動きをするのですが、こういうもたつきが解消されるんだとしたら助かりますけど、現時点では否定的な意見というかそこまで期待していない意見がフォーラムでは多いように見受けられました。実検証が待たれます。
ちなみに、このRTX IOという技術は過去のグラフィックボード、例えばPascal世代(GeForce 1000シリーズ等)でも使えるとのこと。(ソース記事:西川善司さんの記事)
解像度別のおすすめのグラボはこちらで紹介しています。
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