動画編集ソフトDavinci Resolveに最適なグラボはどれ!?(For コスパ重視のYoutuber)

2019年12月16日

高性能動画編集ソフト、Davinci Resolve(2020年上期時点ではDavinci Resolve 16)に最適なグラフィックボードは何か。2020年~2021年前半の民生用(一般ユーザー)の立ち位置で記述します。

主に、動画を撮影してWindows PCでDavinci Resolveで編集してYoutubeにVlogをアップしたい!みたいな人向けで書いてます。

あと、Davinci Resolve上での私の環境設定については下記リンクで紹介してます。

目次

結論

まず2020年下期~2021年上期の場合での結論。

  • FHD画質でとにかく安くしたいならGTX 1660 SUPERくらいが良い(4K30pもギリギリ出来なくもない、というか私はしてる)

  • ただしRTX30シリーズが2020年9月に出た以上、GTX 1660 SUPERコスパとしては非常に悪い。絶対的な金額としては安いけども。

  • なので、既に有償版Davinci Resolveを買った身としてはこれを読んでいる方の背中を押したい。「変にケチらずにRTX 30シリーズ以上を買ったほうが後々のことも考えると絶対に得!!!」と。

  • 4Kも360度映像も可能で、バランス重視ならRTX 3080(4K60p)

  • 8K映像もやりたい、とにかく高性能がいいならRTX 3090一択

  • RTX 3070はあまりオススメしない

  • ただし・・・2020年末には3070の16GBバージョン, 3080の20GBバージョンが出るというもあるので、それが出れば3070や、出るであろう3060もアリなのでは?

  • RADEON RX 580RX 590あたりの安いグラボはワットパフォーマンスの観点からオススメできない

  • そもそも、OSがWindowsならシステム上の関係でRADEONシリーズを使うべきではない後述部分に移動する

  • 高性能グラボを買うなら、まず有償版のDavinci Resolve Studioを買わなければいけない。(有償版じゃないとどちらの効果もフルに発揮できない)

Flopsとベンチマークスコア
機種名 GPUメモリ( VRAM Flops(fp32) ベンチマークスコア参考値 有効メモリスピード(メモリクロック) メモリタイプ(GDDR)
GeForce RTX 3090 24 GB 35.58 TFLOPS 19.5 GHz GDDR6X
GeForce RTX 3080 10 GB 29.77 TFLOPS 19 GHz GDDR6X
GeForce RTX 3070 8 GB 20.31 TFLOPS 14 GHz GDDR6
GeForce RTX 2080 Ti 11 GB 13.45 TFLOPS 21167 14 GHz GDDR6
GeForce RTX 2070 SUPER 8 GB 9.062 TFLOPS 18101 14 GHz GDDR6
GeForce RTX 2060 6 GB 6.451 TFLOPS 14927 14 GHz GDDR6
GeForce GTX 1660 SUPER 6 GB 5.027 TFLOPS 12706 14 GHz GDDR6
Radeon RX 590 8 GB 7.119 TFLOPS 9505 8 GHz GDDR5
Radeon RX 580 8 GB 6.175 TFLOPS 8690 8 GHz GDDR5

DDRGDDRの互換性と相性

GDDR5やGDDR6やGDDR6Xがありますが、仮にマザーボードがDDR2やDDR3対応の古い機種でも、グラフィックボードのGDDR6Xは問題なく稼働します。(「CPUやマザーボードに関連するDDR」と「グラフィックボードのGDDR」は完全な別物)

Davinci Resolveって何や?

Davinci Resolveは、高性能な動画編集ソフト。買い切り式でライセンス取得が可能なので、AdobeのCC(Creative Cloud)のような月額・年額のコストが掛かりません。しかも無償版でも全然不自由しない機能で商用利用もできるソフトです。個人的には本当にコスパ最強の神ソフトだと感じます。

なので私も、2019年末になってインストール&勉強し始めて、2020年初めに有償版を購入し、Youtubeに魚釣り等の動画を上げ始めました。動画編集って楽しい!(Youtubeにはあんまり上げれてないけど、編集でしょっちゅう遊んでる)

まずは有償版のDavinci Resolveを買うべき

Davinci Resolveの有償版と無償版ではグラボの振る舞いが異なります。(たとえば無償版では編集時のエンコードでグラボが機能しなかったりデリバーでNVENCが使えないはず、俗に言うハードウェアエンコード)
高性能グラボを使いたいなら、まず有償版のDavinci Resolveにしたほうが賢明です。そうじゃないと高いグラボを買ってもあんまり意味がありません。

Davinci Resolveにおけるグラフィックボードの役割

Davinci Resolveでのパーツごとの役割
PCのパーツ Davinci Resolveでの役割
CPU デコード、エンコード(レンダリング、最初のメディアの読み込み&最後の書き出し)
グラフィックボード 作業時のエフェクト処理など、作業時の処理全般
メインメモリ(SDRAM VRAMとの橋渡し(極論を言うと、沢山積んでも無意味)16-32 GBあれば良い

表では簡潔にまとめましたが、レンダリング時にグラフィックボードが一切仕事をしないわけではありません。ハードウェアエンコードならバリバリに動きますし、高性能なグラフィックボードを積んでハードウェアエンコードをおこなえば、レンダリング処理は確実に速くなります。ソフトの性能がどのパーツに大きく依存するかは使用する編集ソフトによって違いますが、Davinci Resolveの場合はCPUよりもグラフィックボード性能に大きく依存しています。

WindowsのDavinci ResolveでRadeonを使ってはいけない理由

冒頭で触れた「後述部分」をここで説明します。

  • OSがMacならNVIDIA製(GeForce等)でもAMD製(Radeon等)でも良い
  • でもWindowsならNVIDIA製(GeForce等)にするべき

なぜなら、WindowsのDavinci ResolveではRadeonの性能を十分に引き出せないからです。

RadeonMetalというAPIで動作するのが理想です。MacでRadeonを使えばMetalで動作するのですが、WindowsではMetalではなくOpenCLで動作してしまいます。これが良くない。なのでWindowsならNVIDIA製を買うべきなんです。NVIDIA製ならCUDAで動作するからです。

ちなみにMacならNVIDIA製でもAMD製でもどっちでもOK。でもDavinci ResolveはMetalに最適化されているらしいので、同じ価格帯、同じベンチマークスコアという条件ならば、AMD製のほうが動作が軽くなります。もちろん、NVidiaの圧倒的に高性能なグラボならそっちのほうがパフォーマンスは高いですが。

詳細は下記リンクでも紹介しています。

6 GBと8 GB、どっちがいいのか

Davinci Resolve上でのグラフィックボードの優劣は、Flopsの数値、またはベンチマークスコアに直結すると言われています。同じクラスの製品を比較した場合、メモリの容量やFlopsの数値が大きい方がDavinci Resolveには適しているということです。

同価格帯で比較した場合、GeForceのほうがベンチマークスコアは優勢の場合が多いですが、AMD製のほうが価格が安くてVRAM容量が大きいことが多いので、この数値を見てどっちにしようか悩んでいる人もいると思います。(私がそうでした)

上でもRadeonはダメだという話に触れました。まぁ結論としてはGeforceを買うべきなんですが、この悩みを払拭するきっかけをくれたのが下の動画。
この動画で検証しているのは次の3つですが、とても興味深い結果です。

  • GTX 1060
  • RX 480
  • GTX 980

動画を見ると、ベンチマークスコアではグラボごとの特色が見えてくるものの、やはりレンダリングではそこまで大差が無いように見えます。(1分53秒から)

レンダリングでも一応グラフィックボードは活躍していてその処理時間に影響を与えるはずですが、レンダリングでここまで差が無いとなると、編集作業中のエフェクト処理でも同様の結果になるのではないかと考えます。

一方で、グラフィックボードの種類によってはCPUGPUの受け持つ負担率が違うという話もあるようです。1080 TiRX 580はLuts処理で80%使用すると言っています。

でもだからといって、「じゃあ本体価格が安いAMD製でいいやん!」とはならない。

  • まず、どんぐりの背比べだから。フルHD(1920*1080)程度であれば結局どれも体感差はそこまで無いと思う。でも、もし4K画質を視野にしているなら最上位クラスのグラボを買うべき。最低でもGTX 1080 TiRTX 2070 SUPER以上の性能を持つグラボ。

  • もう1つの理由は電気代。同世代・同価格帯でFLOPSが高いのはオーバークロックに頼っていることが多く、電気代までトータルで考えると割高になる。しかも熱もファンの騒音も大きい。Davinci Resolveでアフレコする人には結構厄介。

  • あとはDavinci Resolve以外のソフト(例えばネットゲーム)などをしているなら、ゲームではGeforceのほうが有利なことが多い。

おそらくVRAMが多いRadeonのほうが、エラー落ちの発生は少ないはずです。でもランニングコストが悪いこと、APIの違いによってRadeonのほうが遅いこと、他のソフトでの汎用性等を考えるとNVidia製の方がトータルでは有利になることが多いと思います。

一般説ではこうです。

  • 4K60fpsなら最低でもグラボメモリ8 GB必要
  • 8K60fpsなら最低でもグラボメモリ16 GB必要
  • じゃないとMemory Fullのエラーの要因になる

個人的には4Kなら24pでも8 GB以上のほうが無難だと感じますね。

でもこれって、逆に言えばフルHD(1920*1080)程度ならVRAMが8 GBも要らないとも言えるんですよね。いや、そりゃ多いほうが処理もスムーズだしレンダリングも安定するのでいいんですが、現状のグラフィックボードの市場価格を見るに、2倍も3倍もお金を費やしてまで4K用スペックを買う意味があるのか?というところなんですよね。ガチ勢ならともかく、少なくともライトユーザーにとっては。

RX 580GTX 1660 TiRTX 2060らへんの比較については下記動画が参考になります。

RX 590は燃費が悪いので、どちらかと言えばRX 580を推奨します。

GPUメモリ2 GBでもDavinci Resolveは動くのか

私のPCで検証してみました。仕様は以下の通り。

  • CPU: Core i7 3820
  • MB: X79
  • RAM: 24 GB PC3-15000 (DDR3-1866) 8 GB*3枚
  • GPU: NVidia GeForce GTX 660 Ti

かなり年季が入ってる。結論から言うと、動くっちゃ動くけど重いし固まりやすいし落ちやすい。

まずタスクマネージャーを見てみると、Davinci Resolveを開いただけで専有GPUメモリ使用量が 1.7 GB/2.0 GB になっています。(メモリが13.6/23.9GBとかになってますけど、10 GBくらいはChromeに使われています。Chromeを閉じても専有GPUメモリ使用量は 1.3 GB/2.0 GB

Davinci Resolveを起動した状態のPCのパフォーマンス

例えば、FHDの動画をメディアプールに取り込み、最適化メディアを生成して、クリップを切り貼りして、BGM、字幕、効果音を付けるだけなら一応問題なく編集作業はできます。ちょっとカクつくこともありますけど、そこまで支障はありません。

ところが、Fusionページ等でノードを1つ追加してあれこれするとあっという間にフリーズ、落ちる。酷い時はPCごとリセットを迫られます。

特に、4K画質だと静止画ですらFusionページでエフェクトを掛けると一気に重くなりますね。↓↓↓

Davinci ResolveのFusionページで動画編集中にクラッシュした瞬間

上の画像見たらわかると思うんですけど、負荷をかけた瞬間、専有GPUメモリ使用量がちょっと増加して、天井に当たるかと思ったらクラッシュして落ち込んでいるんです。CPUGPUが頑張る以前の話。

CPUとかGPUが頑張っていないときでもGPUメモリだけがあっぷあっぷ状態で、CPU等の性能以前にビデオメモリの不足が作業時の重さの要因だと考えられます。

  • マスター設定でタイムライン解像度を落とす。
  • 上部タスクバーの「再生メニュー」でプロキシモードをQuarter ResolutionやHalfに設定する。

こういう設定変更で緩和はできてる気がしますけど、ほぼ焼け石に水ですね。この状態で1つだけパーツを買い換えるなら間違いなくグラフィックボードです。

Davinci Resolveに必要なメインメモリ容量

こんな具合。

  • メインメモリ(SDRAM)は8 GBあれば一応動く
  • 出来れば16 GB以上が推奨(Davinci Resolve 14までは12 GBまでしか使わない仕様だった)
  • 現状だと、ハイスペックでも24 GB+αあれば十分で、32 GBあればほぼ満足
  • 64 GB以上あったらめっちゃ恩恵があるかというと、そうでもない

2020年だと、10万円を超えるようなグラボでもメモリ(VRAM)は11 GB(GeForce 2080 Ti等)程度。2枚刺しでも22 GBTITAN RTXRTX 3090でも24 GBなのでシステム側のメインメモリはこれ以上あれば充分です。あとはOSや他のソフトを常駐させる分だけ予備があればいいので、通常の使い方なら32 GBでも足りるはず。

もちろん、PhotoshopだのメーラーだのGoogle Chromeなど、他のソフトも同時に立ち上げるのであればやっぱり多い方が良いんですけどね。特にGoogle Chromeはメモリを大量に使いますから。(複数のページを常駐で開いてると、それだけでOSと合わせて10 GB以上専有することもある)

グラボは2枚より高性能1枚刺しがオススメ

  • 安いのを2枚刺しより高性能1枚のほうがいい。(2枚刺しをしてもOSはメモリが2倍とは認識しない)

  • なぜなら、無償版Davinci Resolveはグラフィックボードを1枚しか認識しないから。

  • 更に、有償版でもマルチGPUに対応していないエフェクトがあるから。(「時間的ノイズリダクション」と「オプティカルフロー」という一部のエフェクト、外部のオープンFXなど)

  • NVLinkのSLIやCrossfireXなら2枚刺しで容量が2倍の認識になるという情報あり(でも実質的な性能向上効果は1.3~1.5倍ほど)

  • 「高性能1枚だけ」よりも「高性能1枚+低性能1枚」のほうがレンダー速度は速いとの情報もある。(環境設定で高性能側はCUDA、低性能側はGUIに設定することで良い結果を出している人がいた。ただし作業上でのスペックについては語ってなかったので未知数というか未検証で、電気代まで考えるとオススメできるほどの内容とは言いにくい)

RTXシリーズやQuadroなら2枚刺しでも効果が高いか

GeForceのRTX 20シリーズ(NVLink対応)やRTX 3090やQuadroなら、2枚刺しでメモリをちゃんと2倍認識してくれるという話もあります。「未検証なのでもしかしたらQuadroだけかもしれない」というちょっと不確かな情報。これはソフト内でどれだけ認識しているかという話。

NVLinkじゃないとマルチGPUは無意味?

Davinci Resolveで2枚刺しが有効になるのはNVLink対応で専用のブリッジ端子を持つモデルのみです。ここ注意。

Davinci Resolveでのグラボ2枚刺しの詳細は以下の動画を見てね。

ただし上でも述べたように、NVLINK無しでも環境設定で高性能側はCUDA、低性能側はGUIに設定することで処理を分散させてレンダリング速度を向上させている人も実際にいます。でもNVLINKじゃないですから、あくまでもメモリ認識は1枚分だけのはずですし、メインの処理には1枚しか機能していないはずです。しかもVRAMは低いほうの認識に引っ張られるはず。
また、こういった使い方はマザーボードのスロットの無駄遣いにもなるし電気代も掛かるので、あくまでも「奥の手」くらいに思ったほうがいいでしょうね。既に所有しているグラボでなんとか凌ぎたい人とか、スロットやグラボが余ってる人とかのね。

Davinci Resolveで使えるVRAMの量

これについて正確な情報は掴めてません。確かなのはDavinci Resolve 14まではSDRAMが12 GBまでしか使えなかったということだけ。

Davinci Resolve 15の時点でもそこまで劇的に変わって無くて、しかもVFX用に割り当てられるVRAMも以前と変わってないらしいんです。一方で、8K映像には最低16 GBVRAMが必要という話も聞きます。なので私の中では「Davinci Resolve 16ではどちらも16~20 GBくらいは使えるってことかな?」くらいの推測の域を出ない状態です。

ただし、Davinci Resolveは頻繁にアップデートがおこなわれているソフトなので、今後も順次増えていく可能性が充分高いのでは?と個人的には感じています。

Youtuberでも4K画質派はまだ少ない

「高性能な4K対応カメラを使うから高性能グラボがどうしても要るんや!」っていうのであればそれまでなんですけど、多くの人はスマホかiPadみたいなモニタで見ているので、そもそも4Kの需要が少ない。例えばヒカキンさんとか瀬戸弘司さんみたいな人気YoutuberでもフルHDまでが多い印象。(その後、瀬戸さんは2020年9月4日に投稿した動画で4K60p移行宣言を出してました)

ドリキンさんは4Kで上げまくってますけどね。下の動画ではGTX 1080RTX 2080 Tiの換装前後を比較しています。GTX 1080でも充分速い。

将来に向けて今から4Kに対応させるのは悪いことではないですけど、現状ではそこまで頑張る必要ない気もする。とは言え機運が高まっているのも確かなので、過渡期なんでしょうね。

2020年8月6日追記:瀬戸弘司さんとドリキンさんがシネマティック対談

上記の通り 4K画質派は少ないっていう話を2019年末にしましたが、なんと瀬戸弘司さんとドリキンさんがシネマティック対談をする展開が訪れて、その中で瀬戸さんが4K&Davinci Resolveに転向する可能性もあるかも?みたいな話が出てました。前後編で3時間ありますけど、この動画めっちゃ面白いのでおすすめです。個人的には2020年に見た最も価値ある動画の1つです。

この動画についての所感はTwitterにツリー形式で残しておきました。

そもそも、全天球カメラが4Kクロップに対応していない

これも現状では高価格帯のグラフィックボードに手が出せない理由の1つ。

例えばGoPro MAXとかInsta360 One XやRみたいな全天球カメラを使う場合だと、撮影時は6Kとかあっても実際に使う画角をクロップ(抜き取る)時にはフルHDくらいになっちゃうんですよ。つまり、いざDavinci Resolveで編集する段階では既に4Kではない。(MikasuさんっていうYoutuberみたいに少し大きめにクロップして4K出力する人もいますけどね。画面の端は魚眼効果で歪みやすいですが。)

ちなみに私は、GoPro MAXよりもInsta360 One R推しですね。優位性については下記動画で詳しく解説されています。(というか私も実際にOne RとMAX両方使っているので)

他のパーツがボトルネックになるうる

現状の他のパーツが古いと、グラフィックボードだけ高性能なものにしても十分に効果が発揮できません。超高性能なのを買うんだったら「メモリもCPUもマザーボードも全部買い換えるべき」てなっちゃう。

いや、もちろん全部買い換えも1つの手ではあるんです。最近だとAMDのCPUコスパが非常に優秀ですからね。

これらを総合的に鑑みると、極端に高性能なグラフィックボードを買うよりも、値下がりし始めた中堅クラスを買うのが1番利口ではないかと考えます。

RTX IOがボトルネックを解消する一助になるかも

ただし!!

ただしですよ、2020年9月に発表されたRTX IOという技術を利用できれば、古いPCでもDavinci Resolveをサクサクと軽く動かせるかもしれません。

RTX IO

Windowsとコラボした技術で、ストレージとGPU間の速度を最大100倍にできるダイレクトストレージAPI。端的に言うと、グラボがPCIe経由で直接HDDSSDのデータを展開・圧縮できる技術。ボトルネックになるCPUSDRAMを介さないことで高速化し、CPU負荷も大幅に低減する。

CPUを介する従来型のデータの流れ
RTX IOによるデータの流れ
規格別の処理速度
規格 処理速度 消費CPUコア数
RTX IO 14 GB 0.5
Gen4 SSD Compressed 14 GB 24
Gen4 SSD SSD: 7 GB 2
SATA SSD 0.5 GB/s 0.2
SATA HDD 0.2 GB/s 0.1

ということは、CPUが古くても、良いグラボを積むだけでパソコンを丸ごと買い換えるかのような大きな恩恵を得られるかもしれないということです。

でもこれには2つの懸念があります。

1つ目:CPUがメインとなる処理では恩恵は無いのでは?

例えば最適化メディアの生成やレンダーキャッシュの生成にはCPUが大きく動いていてグラボがあまり動いていないことがあります。(私のCPUが古いからかもしれませんが)
もしこれらの処理がCPUがメインで動く処理だとしたら、効果の期待は薄い。

2つ目:結局ストレージ自体がボトルネックになる

NVMe M.2 SSD以上の性能のストレージじゃないと恩恵が得られないんじゃないかといことです。仮にストレージと直結できたとしてもストレージ自体がボトルネックになりますからね。

なので、この技術が効果を発揮するのはこんな環境ではないでしょうか。

  • ストレージ自体が高速通信できる環境

  • 現状よりも大幅に向上したネットワーク環境

だって、14 GB/sって言ったら100 Gbpsのネット環境でもフルカバーできる計算ですからね。
もちろん、CPUの負荷が減る分、CPUのパフォーマンスも上がるので、CPUがショボければショボいほど恩恵は大きいのですが、それと同時にストレージの通信規格がショボければショボいほど恩恵は少ないということになります。

Davinci ResolveはハイスペックPCであってもプロジェクト間を移動する際にものすごくもっさりした動きをするのですが、こういうもたつきが解消されるんだとしたら助かりますけど、現時点では否定的な意見というかそこまで期待していない意見がフォーラムでは多いように見受けられました。実検証が待たれます。

ちなみに、このRTX IOという技術は過去のグラフィックボード、例えばPascal世代(GeForce 10シリーズ等)でも使えるとのこと。ソース記事:西川善司さんの記事

オススメのグラフィックボード3選

以上を踏まえた上で、ここからは私が欲しいグラボ順に製品を紹介します。

たぶんここで紹介する製品の金額を知ったら「高すぎる!ふざけるな!」と思う人もいるかもしれませんが、私なりに色々調べ倒して出た結論です。私はDavinci Resolve初心者の状態でGTX 1660 SUPERを買って「最初はこんなもんでいい」とそれなり満足はしてましたけど、ここまで期待を大きく上回るRTX 30シリーズの性能を見てしまった以上は考えを改めざるを得ませんでした。

1位: Geforce RTX 3090(8K画質 & 将来性重視)

RTX 3090

メーカー公式ページ。

メリット

  • 現時点ではフラッグシップモデルでとにかく高性能。

  • グラボのメモリが24 GBもある。Davinci Resolveで8K60p映像なら最低でもVRAM 16 GBは必要なのでこれは最適。

  • 30シリーズで唯一NVLink対応機種(2020年9月時点)なので、2枚刺しでもビデオメモリを2枚分認識してくれて拡張性が高い。(Davinci Resolveが有償版の場合のみ)

デメリット

  • 2枚刺しにする場合は電源が1100 Wは欲しい。電源まで買い換える必要が出る場合、コスパを考えるとちょっと現実的ではない。

  • カードが分厚くて、3スロット分を占有してしまう。2枚刺しなら合計6スロットも占有するのでこれも現実的とは言いにくい。

そもそも2枚刺しって、処理は1.4倍前後 速くなるんでしょうけどVRAMを48 GBにするメリットはほぼ無いんですよね。ロマンはありますけど(笑)

Davinci ResolveにVRAM24 GBも必要か?

上でも触れましたが、Davinci Resolve 16の時点でもVRAMを24 GBも認識できないのでは?と考えています。

「じゃあRTX 3090の意味なくない?」となっちゃうのですが、これも上で触れた通り、頻繁におこなわれているDavinci Resolveのアップデートで「認識できるVRAM」は増えることはある程度期待できると考えています。ただし認識できるからといって普通の使い方でそこまで恩恵があるかというとまた別の話になります。

RTX 3090RTX 3080での不具合

不具合

発売当初では高クロック時にクラッシュする不具合が確認されています。これはRTX 3090RTX 3080の両方で起こっていて、どうやら意図的にオーバークロックして2.0 GHz以上の高クロック時にクラッシュするようです。

でも私が調べた限りではどのメーカーでも1.7-1.78 GHzくらいで動作するように設定されているので普通に使えば問題ないはずです。もし問題があったとしてもアフターバーナーでクロックを調整すれば回避できる(はず)。
ちなみにFE版(NVIDIA純正のファウンダーエディション)でも1.7 GHz

RTX 3090の総括

ひょっとしたら2年後や4年後には全体的にVRAMが増えて、80クラスでも16 GBを積んだモデルが登場するかもしれません。それを考えると、今回は無理してRTX 3090を買わずに、RTX 3080RTX 3070で手を打つのもアリでは?とも考えます。

でも、それってあくまでも仮定の話。そういう確証があるなら私も現時点ではRTX 3070に甘んじるかもしれませんが、そういうモデルが出なかった時が1番困るんですよね。

それだったらもう今のうちにRTX 3090を買って6年くらい使ってやろう!くらいの気構えのほうがトータルでは得だと思うんです。基本的にNVidiaのグラフィックボードは最初にフラッグシップモデルが出て、次のモデル刷新まではそれを超えるモデルが出ませんから。

RTX 3090 TiRTX 3080 Tiは出るのか問題

RTX 2080RTX 2080 Tiはほぼ同じタイミングで出ましたが、それ以前のモデル(GTX 680GTX 980GTX 1080)の時は約6ヶ月~10ヶ月遅れでTiバージョンが出ましたが、今回RTX 3090 TiRTX 3080 Tiの話は出て来なかった。

ということは、また半年以上後にTiバージョンが後出しされても不思議ではないものの、前例を踏まえればせいぜい15%くらいしか性能は向上しませんし、出る確証も無いのにそれを待てるかって話なんですよね。人生は積分という想いもありますからね。そういうことを悩んだり待ったり、性能不足に後悔したりすることもコストだと捉えている人にとってはRTX 3090がベストだと思います。

2位: Geforce RTX 3080(4K & コスパ重視)

2020年9月に出たモデル。4K映像に真剣に取り組むなら、RTX 3080以上を買うのが賢明です。

RTX 3080

メーカー公式ページ。

RTX 3080はRTX 2080の2倍の性能

メリット

私がRTX 3070ではなくRTX 3080を推す理由は次の2つの違いです。

  • VRAMが10 GBある。(Davinci Resolveは4K映像なら最低でも8 GB欲しい。3070は8 GBあるが、充分とは言いにくい)

  • RTX 3090RTX 3080はGDDR6Xを搭載(一方、RTX 3070はGDDR6なので魅力が劣る)

デメリット

  • NVLink非対応(RTX 3070も非対応、30シリーズでNVLink対応は3090のみ、2020年9月時点)

  • VRAM10 GBあるけど「せめて12~16 GBあればなぁ・・・」という不満がある。

RTX 3080のスペックのマッピング

ざっくりとした目安、位置関係をここで示します。(実際のベンチマークスコアを含む)

  • RTX 3080RTX 2080の約2倍(NVidiaが2倍と言ってるのはこの数字)

  • RTX 3080RTX 2080 Superの約1.7倍

  • RTX 3080RTX 2080 Tiの約1.4倍

  • RTX 2080 TiRTX 2080 Superの約1.2倍

RTX 3080 20 GBRTX 3070 16 GBの噂

正直、私みたいなDavinci Resolveの使い方ならRTX 3080でもRTX 3070でも良いんですけど、RTX 3080以下はVRAMが少ないことが最大の不満です。

でも、もし将来こういう製品が出るならどれでも良い気はします。

  • RTX 3080 20 GB
  • RTX 3070 16 GB
  • RTX 3060 12 GB

RTX 3080の総括

Davinci Resolveもほとんど触ったことない人とか、動画編集を継続するかまだ怪しい人にとっては手を出しにくい金額ではありますが、既に継続している人でバランスの良いグラボが欲しい人にとっては最適と言えます。

RTX 3080は前作RTX 2080と同じ価格で2倍のパフォーマンスを持ちます。そう聞くと「オーバースペックなんじゃないの?」と感じるかもしれませんが、4K映像する人にとってはこれくらいの性能はあったほうがきっと作業がラクだと感じるはず。

なぜかというと、RTX 2080 Tiでさえもノイズリダクションみたいにカクつく処理はあったし、過去よりもこれからの方がカメラ映像や素材も同じようにリッチになっていくからです。解像度だけではなく、10-bit対応のデジカメも出てきてますからね。

上でも言いましたが、私のDavinci Resolveの使い方ならVRAMが12 GBRTX 3070とか、16 GBRTX 3080があれば最適だと感覚的には感じています。要するにRTX 3090より圧倒的にリーズナブルとは言え、VRAM 10 GBで我慢できるか」が焦点です。

RTX 3070でさえも前作RTX 2080 Tiを超える性能をもちますが、8Kや360度の撮影映像を扱う機会が増えていく中で2年~4年使用することを考えると、VRAMが8 GBしかないRTX 3070では将来性にちょっと不安が残りますね。2年後に買い換えることを前提にしてRTX 3070に甘んじるのもひとつの手ではありますが。

ただし最初の結論で述べた通り、RTX 3080 20 GBモデルRTX 3070 16 GBモデルが年末頃に登場するというがあります。あくまで噂ですが、それを説得するだけの情報が見られるので、急いで買わずに年末まで待つのもひとつの手です。信じないのであれば最初からRTX 3090の24 GBを買う方がいいでしょう。私がこのランキングでRTX 3080 10 GBを1位に推さない理由はここらへんにあるんです。また、RTX 3070については16 GBモデルが出るのであれば3位として推すでしょうし、Geforce GTX 1660 SUPERはもうオススメしないでしょう。

3位: Geforce GTX 1660 SUPER(1080p60~4K30p & 絶対的な安さ重視)

私はこのグラボを使って2020年9月時点でも使っていて、4K30pまで編集しています。編集内容にもよるでしょうが結構ギリギリです。上でも触れましたが、30シリーズと比較してしまってはコスパが良いとは言えません。
あくまでも「とにかく絶対的な金額を抑えた上でDavinci Resolveを使ってみたい」という人向けのグラフィックボードです。

キャッシュをすべてOFFにした場合を前提にして使用感を箇条書きにします。

  • 編集時はタイムライン解像度を4K30pでもコマ落ちせずに再生可能。カラグレ用の調整クリップを入れることも可能。

  • ただしテロップ用のテキストを1つでも入れるとカクつくので、リアルタイム編集が難しくなる。特に音のタイミングとか見計らうことは不可能。

  • でも左上に表示されるfpsは30をキープして一切ブレない。ビデオのチャンネル数(テロップの枚数)を5~6まで増やしてもこの安定は変わらない。

  • 4K+NC(空間的、時間的ノイズ除去の両方)でも上と同様にリアルタイム編集不可の環境で、重さの感じは変わらない。

  • タイムライン設定を4Kで122 fpsまで上げてもこの現象のまま編集出来た。

  • ただしそれ以上の負荷の場合、音声だけは指定のfps(240とか360とかでも)で再生されて、タイムラインの映像は止まったままになる。

  • なので、4Kを編集する際は、タイムライン解像度1080pまで落として編集して、レンダリングの時だけ4Kに戻すことでこの重さを回避してる。(ちょっと面倒)

  • でも1080pならNCを適度にかけてもリアルタイム編集可能。(ギリギリという感じはするけど)

こんな感じの説明で雰囲気が掴めるでしょうか。つまり4Kでもただ撮って出し+LUT当てる+ちょっと字幕入れるだけで気軽にVlogにするならこれでも一応動くということです。

初めてDavinci Resolveを使う人にとっては「最低どれくらいが必要か」が分からないと思うんですけど、4Kを扱いたいのだとしたらGTX 1660 SUPERは本当に最低限のクラスで、本来はRTX 2070 SUPER以上のスペックが必要です。あとはお財布と相談してこれ以上の製品を買ってください。

メリット

  • とにかく安い。

  • GDDR6仕様。(RTX 2080Tiとも同じ。このクラスからギリギリ搭載してる)

  • メモリクロックが14 GHz(通常のGTX 1660は8 GHz

  • 本体価格とスペックと電気代をトータルで見た時のバランスが良い。

デメリット

  • ビデオメモリが6 GBなのでちょっと不足気味。(ただし、4Kで余程重い処理をかけなければそこまで大きな不便はない)

  • 360度カメラの映像(6K前後)をクロップせずにそのまま繋げるなどの編集をしようとした場合、重すぎて書き出しができない。

GTX 1660(無印)とGTX 1660 SUPERの違い

両者のFlopsは一緒。じゃあ一体何が違うのか、簡潔に箇条書きで説明します。

  • 1660(無印)はGDDR5だが、1660 SUPERはGDDR6に格上げされている。

  • 規格の格上げによって、1660(無印)のメモリクロックが8 GHzのところを1660 SUPERは14 GHzも出せる。75%もアップ!!

  • この格上げは、CPUやマザーボードを新しいものにした場合に、ボトルネックになることを回避しやすくしてくれる。

  • なので、今後CPUなどを買い換えてもグラボをそのまま転用するつもりなら1660 SUPERのほうが将来性がある。

  • しかもベンチマークによっては1660Tiに並ぶスコアを出すこともある。

  • あとは値段と相談。現状、無印とSUPERでは5000円くらいの価格差があるけどこれを許せるかどうかだけど、将来性を見てもSUPERを買ったほうが断然お得だと思う。

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参考資料