卓上式電気オーブンレンジとは?加熱方式や購入時の注意点
家庭用の電気オーブンレンジは、電子レンジとオーブン機能を兼ね備えた高機能加熱調理器です。
卓上式についてのみ紹介します。最近は種類も多く、低価格でありながらも高品質な製品が流通しています。
100 Vの卓上式電気オーブンレンジのおすすめについては下記リンクを参照ください。
もくじ
概要:卓上式電気オーブンレンジとは何?
- 電気オーブンレンジ
電子レンジ機能とオーブン機能の両方を持つ電子調理機器。呼び方はいくつもあります。
- 電子オーブンレンジ
- コンビネーションレンジ
- 電子レンジ機能付オーブン
- コンビネーション・マイクロウェーブ・オーブン
これらは同じ調理器具を意味します。コンビネーションレンジは英語でも通用しますが、オーブンレンジは和製英語です。英語圏ならコンビネーション・マイクロウェーブ・オーブン(Combination Microwave Oven)が一番自然だと思いますが、日本ではこのようには呼ばれていません。
- 卓上式電気オーブンレンジ
電気オーブンレンジのうち、ビルトインタイプではない製品。コンセントとアース線さえあればどこでも使用が可能で、自由に移動させることも可能です。
電気オーブンの加熱方式
熱風循環式高速オーブン(コンベック)
ガスオーブンの熱風循環式と同様、ファンで熱風を強制的に循環させるオーブンです。コンベクションオーブンともいいます。
スチームオーブン
- スチームオーブン
- 過熱水蒸気オーブン
などと呼ばれるタイプです。
シャープが独自に「ウォーターオーブン」と称しているヘルシオの場合を下の動画で紹介します。↓
水蒸気は元は水なのでガラスを近づければ水滴に変わりますが、100℃以上の高温なのでマッチに火も点けられるし紙も燃えます。これでお肉がこんがり焼けるし、パンもフワフワに焼き上げることができます。水を使っていますが、料理が水でベチャベチャになることはありません。
最近、「油なしでもカラッと揚げ物を揚げることができてヘルシーです!」と謳っているのがこのタイプです。
グリルとオーブンの違い
オーブンレンジには、ビルトインでも卓上式でも3つの機能が備わっているのが一般的です。
- 電子レンジ加熱の機能
- オーブン加熱の機能
- グリル加熱の機能
電子レンジ加熱は分かるとして、あとの2つの「グリルとオーブンの違いって何!?」って思ったことありません?
こんな説明でイメージは伝わるでしょうか?
- グリル加熱=表面だけ焼く日焼けサロン
- オーブン加熱=中までじっくり温める温泉
- 電子レンジ加熱(Microwaving)
マイクロ波(Microwave)を放射することで、食品内部の水分をエネルギーを与える(分子を振動させる)ことで温める方式。
- グリル加熱(Broiling)
ハンバーグ、お肉などの表面に焦げ目を付けたい時の調理法。グリル加熱は表面的な加熱調理に適している。内部までじっくり火を通したい時にはオーブン加熱(Baking)のほうが適している。
- オーブン加熱(Baking)
熱風で庫内や料理の内部まで万遍なく加熱する方式。パン、ケーキ、ローストビーフ、ローストチキンなど、オーブン加熱は分厚い料理の内部までしっかり加熱したい時に適している。グリル加熱だと内部まで温めるうちに表面が焦げてしまうのに対して、オーブン加熱なら分厚い料理も内部までしっかり加熱することができる。
機能の性質を理解して、料理に合わせて上手に使い分けてくださいね。
100 Vの卓上式電気オーブンレンジのおすすめについては下記リンクを参照ください。
卓上式電気オーブンレンジのメリット
どこにでも設置できる
コンセント(とアース線)さえあれば、どこにでも設置可能です。
設置費用が不要
ビルトインのオーブンを設置するには、業者を呼んで設置してもらう必要があり、相場としては3万円~5万円が必要です。
とにかく本体価格が安い
安いものなら1万円台でも買うことができるのが最大の魅力です。しかも電子レンジはどの家庭でも必要ですから、電子レンジを買うついでの感覚で導入することができます。
最悪使わなくなっても、電子レンジ機能だけは必ずと言っていいほど使うので「結局使わないな、買って後悔・・・・」ということも起こりません。そりゃあ普通の電子レンジよりもいくらか高いので、その価格分を後悔することはあるかもしれませんが、後悔を最小限に留めることができます。
卓上式電気オーブンレンジのデメリット
200 Vタイプが無く、火力が弱い
ビルトインタイプのオーブンなら、200 Vの製品もあります。
200 Vの電圧があれば、ガスオーブン並の強い火力を得ることができます。予熱も調理時間もほぼ同じ時間です。
でも卓上式は基本的には100 Vなので火力が弱いです。調理時間も長く、ガスオーブンや200 Vの電気オーブンレンジの約2倍の予熱時間、調理時間が必要です。
例えばグラタン。本格的なガスオーブンなら予熱に6分+加熱調理に12分で合計でも18分ですが、100 Vの卓上式電気オーブンレンジだと予熱に14分+加熱調理に20分で合計34分で、それぞれ約2倍です。1
シャープ ヘルシオの予熱時間
「高価だけど多機能で高性能」だと人気のヘルシオでも、190℃までの加熱に10分必要です。2
ちなみに200 Vのビルトイン電気オーブンレンジやガスオーブンなら200℃までの予熱時間は4分~5分です。3
オール電化にも対応できる
電気オーブンなら、ガスと電気を利用する従来の住宅だけではなく、オール電化の住宅にも対応することができます。
- 本格的なのは高いしなぁ・・・
- でもピザとかパンとかローストビーフとかをこんがり焼いてみたいし・・・
- とりあえず安くで導入して試してみたい
こんなふうに思ってる人に向いているのではないでしょうか?
100 Vの卓上式電気オーブンレンジは、とにかく手軽に導入できるのが長所です。
買う時の注意点
本体と壁との隙間
おうちの作業台の奥行きが十分あるなら問題はありませんが、製品によっては排熱のために「背面と壁を50 mm~100 mm開けてください」と指定している製品があります。
でもキッチンの作業台は450 mm未満であることが多くて、50~100 mmもクリアランスを取ると、全体で500~550 mmほどになってしまいます。
設置台の奥行きの確認
購入前にまず設置する台の奥行きを測ってください。それから製品の設置条件と照らし合わせて、ちゃんと置けるか確認しましょう。
製品によっては、背面に大きな空きスペースが必要な製品もあります。このスペースをしっかり確保しないと、正常に排熱できなくなり、故障や火災に繋がります。
オーブンの最高温度にはこだわったほうがいい
オーブン機能については、一般的には最高温度が250℃で、高い製品だと300℃や350℃まで出せるものがあります。基本的にはW数が高いほうが高出力、高い火力を出せます。卓上式のオーブン機能なら、100 Vで1200 W~1400 Wくらいが一般的です。
オーブンにこだわっているなら、なるべく高い温度が出せる製品を選びましょう。
2段オーブンか1段オーブンか
例えば上段ではピザを焼いて、下段では別の料理。あるいは、たくさんのクッキーを上下2段で焼きたいなら2段オーブン対応の製品を買うべきです。
ちなみに2段オーブンは、英語圏では"double decker oven"、"double deck oven"、"two-tier oven"、"2-tier oven"などと呼ばれています。
電子レンジ機能は200Wと600Wがあれば十分
電子レンジ機能は600 W~1000 Wが一般的です。
でも経験則から言うと、1000 Wモードはそこまで必要ないと感じます。なぜなら、1000 Wだと、熱いところと冷たいところのムラができやすいし、設定時間がシビアになりやすいからです。
1000Wがあったとしても、普段使っているのは結局200Wか600Wなんです。しかもメーカーによっては何度もボタンを押さないと1000Wを設定できません。メーカー側としてそんなに頻繁に使うモードだと思っていないのかもしれません。使ったことが人はちょっと憧れるかもしれませんが、正直言って使いにくいです。
庫内が大きい
大抵の料理、容器などは入るのでそこまで気にする必要はないかもしれません。でも例えば、私の場合は小型のブレンダー(ミキサー)に材料を入れて電子レンジで蓋なしで温めることがあるのですが、過去に使っていた小型の電子レンジだと高さが足りずに入りませんでした。新しく買い替えてからは入るようになったので非常に助かっています。(その当時はブレンダーを使うことを想定していなかった)
なので、そういう点も一応検討したほうがいいですよ。
また、1段オーブンか2段オーブンかでも違ってきますし、調理したい料理によっても変わってきます。高さを優先した製品を買うべきなのか、横幅や奥行きを優先している製品を買うべきなのか、注意しましょう。
「多機能=便利」ではない
こういう製品を買う時、どうしても多機能な製品を欲しくなりがちです。
でも、よほど家電リテラシーや調理リテラシー(家電を使いこなす能力)が高くないと、結局はほとんどの機能を使うことができません。機能の存在自体を知らないまま使うこともあります。
例えばダイヤルを回してメニュー番号を選ぶだけならまだいいですが、何度もボタンを押さないと選べないような調理方法や設定は家電に詳しくない人にとっては意外と難しいことだと感じます。
料理にこだわりがあるから頑張ってでも使いこなしたい
メカに強い自信がある
こういう人ならいいでしょうが、そうじゃない限りは無闇に多機能な製品を買うのは避けたほうがいいでしょう。4
100 Vの卓上式電気オーブンレンジのおすすめについては下記リンクを参照ください。
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