動画撮影に適したSONY Eマウント標準ズームレンズおすすめ2選
SONY Eマウント用の標準ズームレンズとして、「迷うなら最終的にこれじゃないか?」というおすすめを紹介します。
以前にも「初めてのズームレンズ探しの旅」と題して高倍率ズームレンズについて書きましたが、今回は標準ズームレンズの話です。
もくじ
TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)
2018年5月に発売されたModel A036をG1としたシリーズのG2(第二世代)として2021年10月に登場。
印象の箇条書き
- F2.8通しで明るくて、シャッタースピードやISOを固定した動画撮影にも使いやすい。
- フォーカスブリージングがほぼ無いので、動画撮影に向いてる。
- 玉ボケの輪郭はくっきりとしていて、点光源のボケの撮影にも向いている。街なかのキラキラした風景を撮ったり、シティ感を出すには向いてそう。ただしボケの輪郭がハッキリしているので、場面によっては「ボケが煩すぎる」と感じる場合があるかもしれない。(例えば草花の撮影)
- ズーム時のせり出しが小さいので、ジンバル・スタビライザー使用時でもバランスが崩れにくい。(モーターパワーでカバーしやすい)
- 解像感が高い。
- 周辺減光は少ない。
- 逆光耐性は高い。
- 色収差も少ない。
- 大きさ、軽さについても概ね優れている印象。
例えば、イルミネーションの光源、きらめく水面、グラスなどの食器類、艶のある食品などをぼかして撮影した時、そのボケ(特にハイライト)の輪郭はくっきりと目立ちます。こういったものを際立たせたい時には有用です。
Sigma 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryより優れている点
- 細部や周辺部においても解像感が明らかに優れている。
- 逆光時でも、パープルフリンジのような色収差が目立ちにくい。
- 周辺部での解像度、周辺減光が少ない。
両者の性能の比較については、こちらの動画がわかりやすかった。
Sigma 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
印象の箇条書き
- F2.8通しで明るくて、シャッタースピードやISOを固定した動画撮影にも使いやすい。
- フォーカスブリージングがほぼ無いので、動画撮影に向いてる。
- 玉ボケの輪郭はぼんやりしていて、「とろけるようなボケ感」がある。ぐるぐるボケが少し目立つ。
- 解像感はあるものの、TAMRON 28-75mm G2 (Model A063) に比べるとやや劣る。
- 開放での周辺減光が少し強いが、実使用ではそこまで気にならない。ただし、縦構図のポートレイトでは気になるかも。
- 逆光耐性が低く、パープルフリンジが目立ちやすい。(点光源を撮るには不向きな印象)
- 大きさ、軽さは非常に優れている。
TAMRON 28-75mm G2 (Model A063) に比べて優れている点
- とろけるようなボケなので、順光での背景や前ボケは綺麗。ただし、点光源などは収差が目立つので使いどころを選ぶ。
- 価格が安い。
- 軽くてコンパクトなので携行姓に優れている。長時間使用で疲れにくい。
- デザイン性、ビルドクオリティが高い。
レンズ性能(逆光耐性・解像感・周辺減光・ズーム範囲)だけを見るとTamronのほうが優れていると感じます。
でも、順光でのボケ感・サイズと重さ・価格の安さではSigmaのほうが優れています。使用シーンによっても優劣の変わる場合があるので、本当に甲乙つけがたい。普段の撮影でどんなシーンが多いかを基準に選ぶのが吉です。
今後のSONY純正レンズに期待
- 純正ズームレンズは、2021年執筆時点ではどれも写真撮影を前提にした仕様なのでフォーカスブリージングが大きくて使いにくい。
- 動画用のSELP28135Gもあるが、F4通しでF2.8通しではない。重さ1.2 kg、価格も30万円前後と高い。
これらの理由から、2021年末時点ではSONY純正で動画に適していると言える標準ズームレンズはありません。
ただし、2021年末に登場した純正の望遠レンズSEL70200GM2はフォーカスブリージングが排除されていますから、今後は純正でもフォーカスブリージングフリーのレンズを標準化してくる可能性が高い。2022年以降のレンズには期待が持てそうです。
特に、SEL2470Z(発売日: 2014年1月)、SEL2470GM(発売日: 2016年4月)の後継機種がそろそろ出そうなくらいには十分な年月が経っていますからね。
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