高いオーディオIFを買う意味、必要性

2021年1月7日

この前、Focusrite Scarlett 8i6 3rd Genを購入する際に思ったこと。

なんでScarlettが1万円~3万円台なのに、アポロツインみたいにイン/アウトがそれほど多くなくても10万円も15万円もする機種が存在するのか?あんな高いのを買う意味ってあるの?

DSPって何??

例えばこういう機種。

  • universal audio apollo twin x、QUAD X
  • Apogee Symphony Desktop

アポロツインみたいな高級なオーディオインターフェースはPCに負荷を掛けずに内部でデータ処理できるようにDSP (Digital Signal Processor=デジタル信号処理に特化したマイクロプロセッサ)が内蔵されているので高価です。このDSPが1基の機種、2基、4基の機種などがあり、搭載数が多いほど高額です。なので、高級機種を買う際にはどんなDSPが何基搭載されているかは重要なチェック項目です。

ガチで音楽制作をする人は、収録室でPCの冷却ファンの騒音が鳴ったら困るので、Mac BookみたいなラップトップPCを使う人が多いと思います。スタジオに持ち込むためにもラップトップである必要もあるでしょう。そうなるとフルタワーでガチガチに組んだPCよりも性能が低いので、内部処理できる高性能なオーディオIFが欲しい、となります。

なので、音楽制作をしない私がデスクトップPC上で作業するのに、わざわざ10万円を超えるような高級オーディオインターフェースを買う必要ってそこまで感じないんですよね。特に最近ではラップトップも旧来のデスクトップ並みに高性能になってきたので、よほど音質にこだわったり、重い処理を掛けないのであればラップトップを使っている人でも高級機を買うメリットはあまり無いように感じます。

高級機種はノイズが小さいし、良い音が出る

もちろん、内部処理できるかどうかだけではありません。

高級機種ならノイズも小さいし、プリアンプ性能によって良い音が録れます。ただし、「いい音」は人にもよるので、ただの好みの話にもなり得ます。「あの音が出せるからあのオーディオIFが欲しい!高いけど買う!」って言うならまだ分かりますが、「良い音を出したいからとりあえず高いやつの中から選ぶ!」みたいな感じで買うのは何か違うと思うんですよね。

Focusrite ScarlettとUniversal audio Apollo Twinの違い、聴き比べ動画

  • Focusrite Scarlett 2i2 (約2万円)
  • Universal audio Apollo Twin (約12万円)

この動画はすごく面白かった。両者の値段は5~6倍違います。AとB、どっちがどっちでしょうか?

残念ながら、この動画内に答えはありません。でも私としてはBのほうが音がクリアで抜けが良い、低音が大きくて綺麗だと感じました。特に最初のヴォーカルパートは透き通っていながら豊かに聞こえて、顕著に違いを感じました。

でもそれはパートによって異なります。明らかにBが良いと感じる場合もあれば、ほとんど差が無いと思う部分もあれば、Aのほうが綺麗だと感じる部分もありました。

プラグインやサービスで高い場合もある

大抵のオーディオインターフェースは音楽制作のためのソフトウェアやプラグインがいくつも付属していて、実際の音質はそこまで大差ないのに、バンドルされたプラグインやサービスが値段の差になっている場合もあります。

そこに価値を見出して買うなら話は分かりますが、プラグインを多用しないのであれば宝の持ち腐れです。

高いもんが良いもんの理論が通用しない

Mr.Childrenはアンダーシャツという曲で「高いもんが良いもんの理論叩き込まれて僕らは不敵」と社会を揶揄していましたが、ぶっちゃけ世の中にある大体の製品では通用してしまうのも事実です。

でもオーディオインターフェースはそうじゃない。これは下記リンクの話と重複するのでここでは省略しますが、OSとのAPIの相性問題があります。

高いから役立つとは限らない。例えば、雪山に住んでるのに、フェラーリみたいなスポーツカーを買っても使い所に困るでしょう?オーディオインターフェースではそういうことが起こることもあるので注意が必要です。