【アーカイブ2022年】Davinci Resolve用おすすめグラフィックボード5選

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Windowsユーザー向けに、Davinci Resolve用おすすめグラフィックボードをFHD、4K、8Kと解像度別に紹介します。

このページではほぼ全てNVIDIA製品を紹介していますが、その理由は別ページでまとめています。↓↓↓

1位: Geforce RTX 3090(8K画質 & 将来性重視)

RTX 3090

メーカー公式ページ。

RTX3090はクリエイター用グラフィックボード並みに優秀

下の動画を見てください。3DCGの領域でさえ、RTX 3090とRTX A6000(ガチのクリエイター用)では大差がない。むしろRTX 3090のほうが優秀です。

メモ:Davinci Resolveで使えるVRAMの容量
  • Davinci Resolve 14まではメモリが12 GBまでしか使えなかった。
  • Ver.15ではFusion機能が統合されてたので更に増えた(はず)。それでもメモリは24 GB以上積んでも恩恵が無いと言われている。

ちょっと前まで、(VRAMじゃなくて)SDRAMですら24 GBも要らないと言われていたので、VRAMをそれ以上積んでいても恩恵はない。(ただ、VRAMの1.5~2倍くらいのSDRAMを積んだほうが無難ではある)
今後増えていくであろうけども、16や17以降でどれだけ増えたか(増えるか)は不明。

3DCGソフトもやるからVRAM24 GBでは足りないとかいうなら話は別ですが、現時点でそれ以上のVRAMを積む必要性をそこまで感じません。

RTX 3090 Tiは要らないのか?

Tiは要りません。理由は、RTX 3090とVRAM容量が同じ24 GBだからです。

3090に魅力を感じる最も大きな理由は、VRAMが24 GBと豊富だからです。重い処理をする時、VRAMが不足しているとそもそもDavinci Resolveが動かなくなったり落ちたりするので、VRAMが必要だというだけのこと。

誰もが「コアが多い=処理が爆速」というイメージを抱いていると思いますが、少なくともDavinci Resolveに限って言えばそれは幻想に近い。VRAMの違いは置いとくとして、処理速度に関していえばRTX3060みたいな下位モデルと比べて「高負荷時にちょっと重くなりにくくなる」くらいだと思った方がいいです。

3000シリーズまでの話で言えば、8Kをやりたい=VRAM16 GBは欲しい=消去法でRTX3090一択、といっているに過ぎません。3090Tiをメーカー希望小売価格の2000ドル以下で入手できるなら話は別ですが、3090Tiの実勢価格は50万円を超えます。それだったらECCメモリとVRAMを48 GB搭載しているRTX A6000を買ったほうが断然良い。RTX A6000の方がTDPも小さいですし。

メリット

  • フラッグシップモデルでとにかく高性能で、ゲームにも使える。

  • グラボのメモリが24 GBもある。Davinci Resolveで8K60p映像なら最低でもVRAM 16 GBは必要なのでこれは最適。

  • 3000シリーズで唯一NVLink対応機種(2020年9月時点)なので、2枚刺しでもビデオメモリを2枚分認識してくれて拡張性が高い。(Davinci Resolveが有償版の場合のみ)

デメリット

  • 下位モデルの何倍もの値段はするけど、何倍もの軽さになるワケでもないし、レンダリングも劇的に速くなるわけではないのでコスパは正直いって悪い。(10%くらいなら速くなるかも)

  • 2枚刺しにする場合は電源が1100 Wは欲しい。電源まで買い換える必要が出る場合、コスパを考えるとちょっと現実的ではない。

  • カードが分厚くて、3スロット分を占有してしまう。2枚刺しなら合計6スロットも占有するのでこれも現実的とは言いにくい。

そもそも2枚刺しって、処理は1.4倍前後 速くなるんでしょうけどVRAMを48 GBにするメリットはほぼ無いんですよね。ロマンはありますけど(笑)

Davinci ResolveにVRAM24 GBも必要か?

上でも触れましたが、Davinci Resolve 16の時点でもVRAMを24 GBも認識できないのでは?と考えています。

「じゃあRTX 3090じゃなくて良くない?」となっちゃうのですが、頻繁におこなわれているDavinci Resolveのアップデートで「認識できるVRAM」が増えることはある程度期待できると考えています。

RTX 3090RTX 3080での不具合

不具合

発売当初では高クロック時にクラッシュする不具合が確認されています。これはRTX 3090RTX 3080の両方で起こっていて、どうやら意図的にオーバークロックして2.0 GHz以上の高クロック時にクラッシュするようです。

でも私が調べた限りではどのメーカーでも1.7-1.78 GHzくらいで動作するように設定されているので普通に使えば問題ないはずです。もし問題があったとしても制御アプリでクロックを調整すれば回避できる(はず)。
ちなみにFE版(NVIDIA純正のファウンダーエディション)でも1.7 GHz

RTX 3090の総括

ひょっとしたら、たった数年後には60クラスでも16 GBや24 GBを積んだモデルが登場するかもしれません。

でも、それってあくまでも仮定の話。確証があるならそれを待つのも良いんですけど、そういうモデルが出なかった時が1番困るんですよね。
それだったらもう今のうちにRTX 3090を買って長年くらい使ってやろう!くらいの気構えのほうがトータルでは得です。(人生は積分だと思っているので・・・)

2位: Geforce RTX 3080(4K & コスパ重視)

2020年9月に出たモデル。4K映像に真剣に取り組むなら、RTX 3080以上を買うのが賢明です。RTX 3080 TiVRAMが12 GBなのでより望ましいですが、これは財布と相談です。

RTX 3080

メーカー公式ページ。

RTX 3080はRTX 2080の2倍の性能

メリット

私がRTX 3070ではなくRTX 3080を推す理由は次の2つの違いです。

  • VRAMが10 GBある。(Davinci Resolveは4K映像なら最低でも8 GB欲しい。3070は8 GBあるが、充分とは言いにくい)

  • RTX 3090RTX 3080はGDDR6Xを搭載(一方、RTX 3070はGDDR6なので魅力が劣る)

デメリット

  • NVLink非対応(RTX 3070も非対応、3000シリーズでNVLink対応は3090以上のみ

  • VRAM10 GBあるけど「せめて12~16 GBあればなぁ・・・」という不満がある。(とはいえ、Davinci Resolveで4Kまでしかやらないなら10 GBで困ることもあんまり無いので、無理をしてまでTiを買うほどでもない)

RTX 3080のスペックのマッピング

ざっくりとした目安、位置関係をここで示します。(実際のベンチマークスコアを含む)

  • RTX 3080RTX 2080の約2倍(NVidiaが「2倍になった」と謳っているのはこの数字)

  • RTX 3080RTX 2080 Superの約1.7倍

  • RTX 3080RTX 2080 Tiの約1.4倍

  • RTX 2080 TiRTX 2080 Superの約1.2倍

RTX 3080 20 GBRTX 3070 16 GBの噂

正直、ライトユーザーならRTX 3080でもRTX 3060でも良いんですけど、RTX 3080以下はVRAMが少ないことが最大の不満です。

でも、もし将来こういう製品が出るならどれでも良い気はします。

  • RTX 3080 20 GB
  • RTX 3070 16 GB
  • RTX 3060 12 GB(追記:これは実際に出ましたね)

3080の20 GBは噂が出てから立ち消えてしまいましたが、今後はどうなるんでしょうね。

RTX 3080の総括

Davinci Resolveもほとんど触ったことない人とか、動画編集を継続するかまだ怪しい人にとっては手を出しにくい金額ではありますが、既に継続している人でバランスの良いグラボが欲しい人にとっては最適と言えます。

RTX 3080は前作RTX 2080と同じ価格で2倍のパフォーマンスを持ちます。そう聞くと「オーバースペックなんじゃないの?」と感じるかもしれませんが、4K映像する人にとってはこれくらいの性能はあったほうがきっと作業がラクだと感じるはず。

なぜかというと、RTX 2080 Tiでさえもノイズリダクションみたいな重い処理ではカクつくし、過去よりもこれからの方がカメラ映像や素材も同じようにリッチになっていくからです。解像度だけではなく、10-bit対応のデジカメも出てきてますからね。

上でも言いましたが、ライトユーザーなら3060以上で且つVRAMが12 GB以上あれば十分です。要するにRTX 3090より圧倒的にリーズナブルとは言え、VRAM 10 GBで我慢できるか」が焦点です。

RTX 3070でさえも前作RTX 2080 Tiを超える性能をもちますが、8Kや360度の撮影映像を扱う機会が増えていく中で2年~4年使用することを考えると、VRAMが8 GBしかないRTX 3070では将来性にちょっと不安が残りますね。2年後に買い換えることを前提にしてRTX 3070に甘んじるのもひとつの手ではありますが。

3位: RTX A5000(4K、コスパ&ランニングコスト重視)

RTX 3080RTX 3080Tiで納得できなくてもう1つ浮かびそうな候補がRTX A6000RTX A4500RTX A4000といったプロフェッショナル向けのモデル。
そのなかでもRTX A5000が総合的に優れていると感じます。

上位モデルの比較
機種 CUDAコア Tensorコア RTコア VRAM メモリタイプ バス幅 メモリ帯域(バンド幅) 消費電力 システム電力要件
RTX A6000 10752 336 84 48 GB (ECC) GDDR6 384 bit 786 GB/s 300 W 650-700 W
RTX 3090Ti 10752 336 84 24 GB GDDR6X 384 bit 1008 GB/s 450 W 800-850 W (??)
RTX 3090 10496 328 82 24 GB GDDR6X 384 bit 936 GB/s 350 W 700-750 W
RTX 3080Ti 10240 320 80 12 GB GDDR6X 384 bit 912 GB/s 350 W 700-750 W
RTX 3080 12GB 8960 280 70 12 GB GDDR6X 384 bit 912 GB/s 350 W 700-750 W
RTX 3080 8704 272 68 10 GB GDDR6X 320 bit 760 GB/s 320 W 700-750 W
RTX A5000 8192 256 64 24 GB (ECC) GDDR6 384 bit 768 GB/s 230 W 600-650 W
RTX A4500 7168 224 56 20 GB (ECC) GDDR6 320 bit 640 GB/s 200 W 600-650 W
RTX A4000 6144 192 48 16 GB (ECC) GDDR6 256 bit 448 GB/s 140 W 400-450 W
システム電力要件

例えば600-650 Wの場合、「どんだけ最低でも600 Wは必要、推奨は650 W以上」という意味。
ただし、各ベンダー(vendor, MSIや玄人志向やELSAみたいなメーカー)のモデルによって消費電力が異なるので、あくまでも参考程度にしてください。
大抵の場合は推奨値+100 Wしておけば大丈夫です。

RTX A5000の良い点

  • RTX 3090と同等のバス幅、RTX 3080と同等のメモリ帯域。

  • RTX 3090と同等のVRAM、しかもECC機能をサポート。

  • 消費電力が230 Wと省電力設計、省エネ。

  • RTX 3090よりも安い。

RTX 3090は高いし、かとってRTX 3080ではVRAM少ないしなぁ」と感じている人にとっては最適解と言えます。

4位: AMD Radeon RX 6800 XT(1080p60~4K60p & コスパ重視)

AMD Radeon RX 6800 XT

AMDの公式ページ。

Windowsなら基本的にはNVIDIAを買うべきとの結論には変わりはありません。

ただし、条件次第ではAMD製でもアリだと考えています。その理由を列挙します。

  • メーカー希望の本体価格の安さではRadeonが圧倒的に有利

  • WindowsのDavinci ResolveはAMD製ではOpenCLで動くためCUDAよりも不利だが、その差は体感としてせいぜいマイナス10~20%ではないか?

  • RX6000シリーズではVRAMが16 GBになっているのが非常に魅力的

  • 「8 GBのRTX 3070を買うくらいなら、16 GBRX 6800」、あるいは「10 GBのRTX3080を買うくらいなら6800XTを買ったほうがいいのでは?」という印象はかなり強い(20 GBのRTX3080なら話は別)

  • ただし実勢価格はトントン。Radeonのほうが2割以上安いなら魅力を感じる

  • 難点は10bitカラー(10億色)に対応しているのかイマイチ不明だという点

  • でも、使用モニターが8bitで、当分HDRモニタに買い換える予定がないのであれば無視しても良いのではないか(NVIDIAと同様にRadeonも10bit対応はしているものの、排他的フルスクリーンで動作させる必要があるため)

  • また、仮に10bitモニターを用いるにしても、NVIDIAがモニターの全てを10bitで描画するのに対して、Radeonが排他的フルスクリーンでしか10bit描画しないのであれば、そのぶん負荷は軽くなるので、実際の使用感としてはNVIDIAでもAMDでも同程度になるのではないか?と推察している(私はAMD+HDRモニタを使ったことがないのでここはあくまで推察)

  • もう1つの難点はCPUとの相性問題。最近はAMDのRyzenを使っている人も多いのでそういう人なら全然問題ないけど、インテル製のCPUを使っているのであればNVIDIA製のほうが無難だとは思う。

  • CPUがRyzen 5000シリーズ以上じゃないとSAMが使えないことを気にする必要はないと思う(SAMについてはONでも必ずしもプラスになるとは限らないし、Davinci Resolveで有効か現時点で未知数なので、というか懐疑的)

現状では私もHDRモニターではなく、従来の8bitモニターを使用しています。(DCR, Dynamic Contrast Ratio)

まともなHDR(High Dynamic Range)効果を得たいならHDR1000、最低でもHDR600が必要だと考えていますが、現状ではHDR400、HDR600が主流で、HDR1000の高輝度モニターは20万円~30万円します。HDR400に買い換えるメリットはあんまり無いので、HDR1000が普及した時にそれを買うのが賢明ではないかと考えています。

5位: RTX 3060, A2000 12GB, 3060Ti(1080p60~4K60p&コスパ&安さ重視)

FHDがメイン、でも低コストで一応4Kもやってみたい」、というならこの辺りのクラスが最適かと思います。

スペック比較一覧

  • RTX 3060
  • A2000 12GB
  • 3060Ti

この3つで悩む人もいると思うので比較一覧を作りました。

RTX 3060, A2000 12GB, 3060Tiの比較
スペック RTX 3060 RTX A2000 12 GB RTX 3060Ti
CUDAコア数 3584 3328 4864
VRAM 12 GB 12 GB 8 GB
メモリタイプ GDDR6 GDDR6 (ECC) GDDR6
ベースクロック 1320 MHz 562 MHz 1410 MHz
ブーストクロック 1780 MHz 1200 MHz 1670 MHz
バス幅 192bit 192bit 256bit
メモリ帯域(バンド幅) 336 GB/s 288 GB/s 448 GB/s
メモリクロック 14 Gbps 6 Gbps 14 Gbps
テクスチャリング速度 199.0 124.8 253.1
消費電力 170 W 70 W 200 W
システム電力要件 550 W 500 W (??) 600 W
たまに動画編集するならRTX3060

高負荷にする時間が少なくて、ゲームもするけど動画編集を重視したいというならVRAMが沢山欲しいのならRTX3060がおすすめです。

仕事で四六時中使うからワットパフォーマンスが大事というならRTX2000 12GB

最大のメリットは省エネで、しかもECCメモリでエラー修正機能が付いていること。仕事で長時間使うし、電気代も安いほうがいいと言うならこれが1番のおすすめ。
ただし絶対的なパフォーマンスは落ちるため、4Kではプロキシモード使用などの工夫が必要になると思います。

システム電力要件は不明ですが、RTX3060は550 Wで動くので、A2000は500~550 Wあれば大丈夫なはずです。

VRAMを犠牲にしてでもパフォーマスを得たいならRTX3060Ti

不満点は電力消費量が多いこと、VRAMが8 GBと少ないこと。ここが我慢できるかどうか。
ゲームもしたい、重い動画編集はしない、という人向け。