Davinci Resolveで4K60p映像編集用CPUオススメ2選

2022年1月27日

こういう人を軸にしてまとめます。

  • Davinci Resolveで10bit 4K60pまでの映像を編集したい
  • 編集モニターは4K or FHD(1920*1080)で、編集時のタイムライン画質は最悪FHDで折れても良い

そもそも「Davinci Resolveに必要なCPUってどんなの?」とか、「Davinci ResolveでのCPUの役割って何?」みたいな疑問点は下記リンクで紹介しています。

AMD Ryzen 9 5950X

AMD Ryzen™ 9 5950X デスクトップ・プロセッサー

AMDの公式ページ。

5950Xを推す理由を要約するとこんな感じ。

  • PCIE gen4に対応しているから。

  • シングルスレッドスコアは5900Xとかに比べると若干低いけど、マルチスコアはかなり高いから。

  • L3キャッシュが大きいから。

16コア32スレッド

対抗できそうなCPUとのベンチマークを比較。

CPUの参考ベンチマークスコア1
製品 参考スコア コア スレッド L1キャッシュ L2キャッシュ L3キャッシュ
AMD Ryzen Threadripper 3970X 63980 32 64 2MB 16MB 128MB
Ryzen 9 5950X 46167 16 32 8MB 64MB
Ryzen 9 5900X 39500 12 24 6MB 64MB
Ryzen Threadripper 2990WX 32403 16 32 3MB 16MB 64MB
Ryzen 7 5800X 28442 8 16 4MB 32MB
Core i9-12900KF 40466 16 24 14MB 30MB
Core i7-12700KF 33068 12 20 12MB 25MB
Xeon E5-2697 V2 14000 12 24 512KB 3MB 30MB
  • 5950X、5900XはL3キャッシュが64MB、ちなみに5700Gは16MB。
  • 5950Xや5800XはPCIE gen 4.0対応。5700Gなどの非Xシリーズは3.0までなので将来性が低い。

おそらくFHDの編集なら10スレッド程度しか稼働しないので、それだったら10スレッド以上且つシングルスレッド性能の高いCPUの方が動作は軽いと思います。例えば5800Xとか5900Xの方がコスパが良いということです。

でも4Kだともっとスレッドを使うし、動画編集時はいろんなソフトを並行で使うことも多いので5900Xでも物足りなくなってくると思います。なので5950Xを推したい。

7950Xが出てからはどうかというと、それでも5950Xを推したい気持ちがあります。こんな感じ↓↓↓

新旧の比較
CPU コア PCIe レーン RAM L2 L3 TDP Turbo iGPU プロセス
13900KF 24C32T(8P+16E) PCIe5 20 DDR4+DDR5 32MB 36MB 125W 315W N/A 10nm
12900K 16C22T(8P+8E) PCIe5 20 DDR4+DDR5 14MB 30MB 125W 220W UHD770 10nm
7950X 16C32T PCIe5 24 DDR5 16MB 64MB 170W 230W Radeon Graphics 2c 5nm
5950X 16C32T PCIe4 24 DDR4 8MB 64MB 105W 130W 7nm
  • 7950XでL2キャッシュが2倍になった&DDR5対応となったのは嬉しい。将来性もある。
  • ただし、DDR5構成はメモリ等他のパーツでコストがかかる。
  • 7950Xのほうがパフォーマンスが高いのは確かだけど、TDPも高くて、消費電力で誤魔化してる印象もある。
  • 一方、5950XのほうがTDPが低い。
  • しかも実勢価格では5950Xのほうが20%ほど安い。
  • 既にAM4のマザーボードにDDR4で組んでいるなら、5950Xのほうが楽だし安い。
  • 以上より、新規で組むなら7950Xのほうがパフォーマンスが高いしオススメ。
  • 一方、コストを優先したいとか、既にAM4の構成だとかDDR4メモリを持て余しているなら5950Xのほうがオススメ。

Intel Core i9-13900KF

インテル® Core™ i9-13900KF プロセッサー

インテル® Core™ i9-13900KF プロセッサー (36M キャッシュ、最大 5.80 GHz) 仕様、機能、およびテクノロジーに関するクイック・リファレンス。

今年もインテル頑張ってる

2021年末までの数年間のインテルは惨憺たるものでしたが、2022年は久々に強いインテルを見た気がします。なにせ各種ベンチマークでもRyzenを超えてきてますからね。Intelがんばっtel!!
しかも2023年も頑張っtel!!

PCIE gen5にも対応

Ryzen gen3でもPCIE gen4までしか対応していませんが、IntelはGen5にも対応。すぐにどうこう恩恵があるわけではありませんが、長年使用するなら将来性は確保できます。

4K再生時のタスクマネージャー

下の動画は13900KFではなく、12900Kですが参考程度にこちらを見てください↓(3分49秒から)

4K24pだと再生直後のスパイクが50%ほどに見えますが、Pコア(重い処理を担うコア)は半分以上は遊んでいて余力がある様子。

更に、4K60pでも60%ほどで、グラフィックボード(RTX3090)よりも余力がありそう。動画素材はSony α7S3による422の8bitと10bitですが、大差はありません。

KとKFの違いはiGPUの有無

  • 13900K(iGPU有り)
  • 13900KF(iGPU無し)

高性能グラボを積んでCPUをオーバークロックする場合、iGPUが足かせになる場合もあるので、KFを推したい。

KFは自作erに好かれるタイプです。ちなみにRyzenも語尾がXのシリーズは基本的に内蔵GPUは非搭載です。(語尾がGの場合は内蔵有り、他例外あり)

インテル製GPUのグラボ(Intel Arcグラフィックス)を使うのであれば13900KのようにiGPUを搭載している方がパフォーマンスは上がる(とインテルが謳ってる)んですが、NVIDIA製とかを使う場合についてはiGPUの有無がどこまで影響するかはわからない部分も正直あります。

iGPUのせいでDavinci Resolveが動かない?

海外のフォーラムなんか見てみると、「Davinci Resolveが動かないのは多分iGPUのドライバーのバージョンのせい、ドライバー更新したら動いた」と報告する人も見かけました。

この辺はソフトの修正でどうこうで解決できそうなことなので、あんまりあーだこーだと言いたくはないんですが、「避けた方が無難そうだな」と感じたので紹介しておきます。

あと、デリバーの時にネイティブ指定だったらiGPUがあるほうが何か効率良くなりそうな印象もあるんですけど、どれくらいなのか未知数ですし、上記のトラブルとか編集時のスペックを優先するならKFの方がトータルで無難なんじゃないかな?と思います。2
ということで13900KFを推したい。

そもそも「Davinci Resolveに必要なCPUってどんなの?」とか、「Davinci ResolveでのCPUの役割って何?」みたいな疑問点は下記リンクで紹介しています。

参考資料